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凶悪犯罪が多発する街・ヨハネスブルグで現地の男の家に泊めてもらったら、ひとつのベッドで一緒に寝るぞと言われて…【連載】アクティビスト・小玉直也の「こんな人生があるのか!?」(4)
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  • 2022.02.26
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凶悪犯罪が多発する街・ヨハネスブルグで現地の男の家に泊めてもらったら、ひとつのベッドで一緒に寝るぞと言われて…【連載】アクティビスト・小玉直也の「こんな人生があるのか!?」(4)

2010年6月19日オランダvs日本が行われるダーバンスタジアム

現在はジャーナリスト活動やさまざまな社会貢献活動を行う小玉直也氏は、戦場ジャーナリストでもないのに、数奇の運命に翻弄されるがごとく、ハプニングの連続にさらされてこれまで生きてきた。破天荒な大学時代、金融先物取引の会社でのサラリーマン時代へ。その後、思い立って、イラクへ飛んだり、スマトラ沖地震のインドネシアへボランティアに行ったりNPO法人を設立したりと精力的に活動する、驚愕のハプニング連続のアクティビスト・小玉氏の人生を追う!

小玉直也

特定非営利活動法人アースウォーカーズ代表理事 フリーカメラマン

1971年宮崎県生まれ。大学まで宮崎で育ち1994年大阪で就職。3年後に退職してNPOやNGOに関わり2003年~04年イラク戦争中のバクダットに行き現地病院の医療支援や日本とイラクの学校の橋渡しや平和交流などに携わる。また現地で米軍に拘束され尋問を受ける。その年の朝日新聞広告賞入賞カメラマンに選ばれる。

2005年スマトラ沖大地震の津波支援で東南アジアへ、2007年中越沖地震では新潟県柏崎市へ、2011年東日本大震災では南三陸町、石巻市の支援に入り、4カ月後の7月1日から原発事故のあった福島県の子どもたち支援のため常駐し、現在も毎月福島入りし子供たちの支援を継続。2016年は熊本地震の支援に入り、2019年は西日本豪雨の広島県呉市に入る。各地の支援に学生など若者をのべ1000人以上派遣し若者がボランティアで現地に行き支援に関わる機会を作り続けている。

聞き手:米田智彦 文・構成:神田桂一

7週間旅をしながらワールドカップを観戦する旅へ!

2010年6月29日パラグアイvs日本のプレトリアスタジアムにて日本を応援する南アフリカ人たち。写真提供:小玉直也

2010年に南アフリカでワールドカップがありました。会場は、ヨハネスブルグ、ケープタウン、ブルームフォンテーン、ダーバンなど10箇所で開催。南アフリカはすごい治安が悪く、犯罪が多いから周囲から気をつけろと言われていました。

目的はワールドカップでしたが、マイルが13万ほど貯まっていたので、色んな国を旅しながらのサッカー観戦とすることに。最初は宮崎から大阪、京都を観光して、関西から上海へ行きました。上海万博などを堪能してから香港で観光したのちヨハネスブルグへ。W杯を1ヶ月観戦して、ヨハネスブルグからマドリード、パリ、ロンドン、北京と世界中を周り、東京を経由して宮崎に戻ってくるという行程。約7週間、合計9回のフライトによる旅でした。

非常に残念だったのが、参議院選挙の投票日とワールドカップの決勝が同じ日だったことです。せっかくなので決勝まで南アフリカで観たかったので、南アフリカから投票が出来ないかと、外務省や総務省に連絡して現地で在外投票させてくれと頼んだんですが、旅行者だから出来ないと。結局慌てて投票日の前々日に宮崎に帰って投票に行きました。南アフリカ大会はすごく面白かったです。

趣味は、旅で出会った人の家に泊めてもらうこと。

2010年6月29日パラグアイvs日本のプレトリアスタジアムにて日本代表サポーター写真提供:小玉直也

航空券はマイルで賄えましたが、予算はあまりないので、宿泊をどう安くするかが旅のポイントでした。

この7週間の旅で出発前に予約していたホテルは、1泊目の上海のホテルだけ。残りの7週間は現地で調達しようと思っていました。実は私は旅行に行ったときは、現地で会った色んな人のところでホームステイするのが大好きなんです。でもさすがに、ヨハネスブルグは犯罪に巻き込まれるリスクが高いなと。そこで妙案が浮かびました。

治安の悪い南アフリカに着いてから声をかけるんじゃなくて、香港でヨハネスブルグに帰国する人たちに声をかけることにしたんです。香港に旅をしにきたり、ビジネスで来たりしている人は、たぶん犯罪とかしないだろう、という魂胆です。

普段は15分とか30分前に出発ゲートに到着するくらいギリギリで行くのですが、この日は3時間前には出発ゲートに到着。後からやってくる同じフライトになるであろう人に片っ端から声を掛けまくったんです。

南アフリカに向かう人を見つけたら自分のことを話しつつ、「どこに住んでるんですか?」「初めてだからぜひ向こうで会いませんか?」「一緒にご飯食べませんか?」と話かけ。最後に、「泊めてもらえませんか?」と言う流れ。

ケープタウンだったらこの人が案内してくれそうだ、この人はご馳走してくれそうだ、この人は泊めてくれるかもしれないが、食事で終わるかもしれない、というふうに、リストアップをしていていくんです。

特に日本代表が試合するブルームフォンテーンとダーバンとヨハネスブルグの方々を優先しながら、他の町も。ドイツ戦のポートエリザベスなど観光もしたかったのでいろんな人との出会いの場となる大事な3時間でした。

そして日本の初戦が開催されるブルームフォンテーン在住で会社の経営者のレイチさんと出会いました。めっちゃでかい家で、芝を刈ったり食事や洗濯をする家事手伝いさんも二人ぐらいいて、その人の家をベースにスーツケースを置かせてもらい、バスや飛行機で観戦ツアーとなりました。

現地の人と出会い、家に泊めてもらうことになるも……。

2010年6月19日オランダvs日本が行われるダーバンスタジアム内にて写真提供:小玉直也

日本代表やドイツ代表の試合を中心に観戦していくんですが、その途中でスタジアムで仲良くなった黒人に、「家に泊まっても良いか?」と聞いたら「いいよいいようちに来い」と快諾。話も盛り上がったんですけど、海外でその人が大丈夫かどうかってジャッジが難しいじゃないですか。たとえば知人がスタジアムで写真撮ってもらえませんかとカメラを渡して、はいチーズって言ってそのままカメラ持って走って逃げるケースもありましたから。

色んな人がいたので、この人大丈夫かな?と思いながら。その日は1泊30ドルぐらいの安い宿をとっていたんです。宿に帰るのも良いけど、結局好奇心が勝って、スタジアムで出会った黒人の家に行くことに決めました。

カメラのボディとレンズなど合わせて60万円くらいのセットを持っていたから、これを奪われたら痛いなとか、どこかでハメられるかもしれないとか、常に警戒感は持っているけど、なにかあったらそれはそれで良い経験だと思ってました。

サッカーが夜遅くまで盛り上がったのと、スタジアムが遠かったのもあり、ヨハネスブルグ郊外にあるその人の家についたのが24時を過ぎるくらい。住んでいるマンションの入り口の扉の鍵が閉まっていてなかに入れなかったんです。

次ページ:ひとつのベッドで一緒に寝るぞと言われて……。

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