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坂本龍一「戦メリNFT」の購入者が語る「特別な関係」、NFTだからできる新しいマネタイズ【連載】NFTが起こすデジタルアートの流通革命(13)
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  • 2022.01.07
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坂本龍一「戦メリNFT」の購入者が語る「特別な関係」、NFTだからできる新しいマネタイズ【連載】NFTが起こすデジタルアートの流通革命(13)

NFT王子さんが購入したNFT

足立 明穂

ITトレンド・ウォッチャー、キンドル作家

シリコンバレーで黎明期のインターネットに触れ、世界が変わることを確信。帰国後は、ITベンチャー企業を転々とする。また、官庁関係の仕事に関わることも多く、P2Pの産学官共同研究プロジェクトでは事務局でとりまとめも経験。キンドル出版で著述や、PodcastでITの最新情報を発信しつつ、セミナー講師、企業研修、ITコンサル業務などをおこなうフリーランス。

3刷決定!新刊発売中!『だれにでもわかるNFTの解説書』(ライブパブリッシング刊)
キンドル本『NFT解説本』
Podcast番組『週刊ITトレンドX』

拙著『だれにでもわかるNFTの解説書』(ライブ・パブリッシング)のKindle版も販売開始され、より多くの人の手に渡り感激しています。

さて、今回扱うのは、坂本龍一さんが映画『戦場のメリークリスマス』のテーマソングとして世界的にも知られている「Merry Christmas Mr. Lawrence」の曲を1音ずつ区切って595の音としてNFT販売した件です。

こちらは現在がんで闘病中の坂本さんが2021年唯一の録音として同曲を再レコーディング。そのデータを、GMOアダムが運営するマーケットプレイス「Adam byGMO」にて幻冬舎が発行元となり、1万円で販売されました。その「1音」はAdam byGMOでそれぞれ実際に再生することができ、同時にNFTの所有者限定で「同曲の坂本さん手書き楽譜を入手できる権利NFT」へのオークションにも参加できます。

テレビや新聞、もちろんネットでも扱われるニュースになり、私のところにも日本テレビ「スッキリ」から急遽、この件でコメントくださいと依頼がありました。リモート取材で1時間、あれこれと説明したのですが番組中では写真とテキストだけで紹介されていました(テレビって、そんなものですw)。

さて、今回、その音のNFTを実際に購入した一人、赤い鼻がトレードマークのNFT王子(とっきー)さんにお話を伺うことができました。購入する前と後で、語りつくせないほど大きな気持ちの変化があったそうです。

clubhouseでNFTを知り、面白そうと思ったのがきっかけ

赤い鼻がトレードマークのNFT王子さん
Twitter:https://twitter.com/nftouji
clubhouse:https://www.clubhouse.com/@nftouji

2021年の春ごろ、clubhouseでNFTが流行っているという話を聞いてはいたそうですが、当時は「ブロックチェーンとか仮想通貨とかよく分からないし、自分には関係ないな」と思っていて、あまり気にしていなかったそうです。その後、clubhouseで知り合った人と会った時に、何か新しいことを始めたいよねという話になり、NFTの話をする部屋をclubhouseで立ち上げてみたところ、「そういう話ができる場所が欲しかったです」とか「実はNFTやっているんですよ」といった人が次々と集まってきて、まだまだよく分かってない素人同然だったのが、一気にNFTの虜になっていたそうです。

その頃からニックネームも「とっきー」から「NFT王子」に変えて、本格的に活動するようになったとのこと。

「買えた瞬間、体温が2度上がりました!」

購入できた瞬間を興奮しながら語るNFT王子

NFT王子と名乗りながらも、実はこれまで一度もNFT作品を購入したことはありませんでした。その理由を聞くと、こんな回答をいただきました。

「投資目的で購入するよりも、自分が好きになれる作品を買ってみたかったし、かといって何十万円、何百万円もするようなものを試しに買うには、あまりにもリスクが大きい」

そんな時に、坂本龍一さんの音楽がNFTで販売され販売価格も1万円ということを知り、これは手に入れたいと思ったとのこと。ただ、当然ながら多くの人が殺到していたので、当初ログインすることすらできず、諦めてclubhouseで「やっぱ、アクセスが殺到して入れないですよー」と話をしていたそうです。

clubhouseでのおしゃべりを終えて、「高値で転売されているものもあるのだろうなぁ』と思いながら、NFTが販売されているAdamのマーケットプレイスを眺めていたそうです。情報の反映が遅いようでいくつかは販売中となっていたのですが、クリックすると販売済みと表示され、「そりゃそうだよね…』と思って眺めていました。

そんな中でも諦めずサイトをチェックしていると、一つのNFTが購入ボタンを押せる状態になっていて、「あれ? これって、ひょっとして???」と手続きを進めると、なんと購入できてしまいました。その瞬間、赤い鼻以上に顔が紅潮するのが分かるほど興奮したそうです。ご本人が言うには「多分、その瞬間は一気に体温が2度ぐらい上がっていましたよ!」。

次ページ:購入した人にしか分からない「特別な想い」

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