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文:岩見旦
普段万全の注意を払っていても、事件や事故に巻き込まれてしまうことはあるだろう。特に子どもだったら、尚更だ。
そんな中、米国サウスカロライナ州で起きた、意外な結末のバスジャック事件が大きな注目を集めている。
「何でこんなことをするの?」
運転手のケネス・コービンさんは今月6日、小学校へ向かうスクールバスを、18人の児童を乗せて運転していた。すると午前7時頃、バスジャック犯が突然乗り込んできて、ライフルをケネスさんに向け、「ドアを閉めて、運転しろ」と命令した。バスジャック犯は隣の町に行くよう要求し、「あとどれくらい掛かるんだ?」と質問を繰り返し、急かした。しかし、乗っ取ってからわずか6分後、バスジャック犯は突然、運転手と児童たちを全員解放。その理由は、児童たちがバスジャック犯を質問攻めにしたからだ。
バス前方に集められた児童はバスジャック犯に「あなたは軍人なの?」と質問。バスジャック犯は少しためらって「そうだ」と答えた。「何でこんなことをするの?」と児童。黙っているバスジャック犯に向かって、続けざまに「私を傷つけるの?」と尋ねた。すると「そんなことはしない」とバスジャック犯。児童は「じゃあ運転手さんを傷つける?」と畳み掛けると、バスジャック犯は「大丈夫だ。みんなバスから降ろすよ」と回答した。
まだまだ質問攻めが続くと感じたバスジャック犯は、「もう十分だ」と吐き捨て、バスから運転手と児童たちを降ろし、そのまま走り去ったのだ。
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