LIFE STYLE | 2021/05/07

韓国で生まれ、生後すぐアメリカの別の家庭に養子に出された双子姉妹。DNA検査を通じて、36年振りに再会

文:ヤジマミユキ
兄弟や姉妹という血縁は、心の支えでもありながら時に厄介であるという不思議なつながりではないだろうか。...

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文:ヤジマミユキ

兄弟や姉妹という血縁は、心の支えでもありながら時に厄介であるという不思議なつながりではないだろうか。ただどんな状況であっても、強い絆で結ばれているのは間違いないだろう。

先日、アメリカで運命的な再会を果たした1組の姉妹がいた。

妊娠したことがないのに、DNA検査結果に娘の名前

モリー・シナートさんとエミリー・ブッシュネルさんは、1985年3月29日、一卵性双生児の双子として韓国で生まれた。しかし生後数カ月後、シナートさんは米国フロリダ州の家庭に、ブッシュネルさんは米国ペンシルベニア州の家庭に、それぞれ養子に出されることになった。2人は自分の生い立ちはおろか、双子であることも知らないまま育っていった。

それから時を経て、ブッシュネルさんは結婚し、娘イザベルちゃんをもうけた。そして最近、11歳になったイザベルちゃんは、ブッシュネルさんの生い立ちや遺伝について、もっと知りたいと言い出した。イザベルちゃんはその理由について「母は養子だったので、DNA鑑定をしたかったんです。母方にもっと家族がいるのかどうかを知りたくて」と『Good Morning America』の取材に語っている。ただ、ブッシュネルさん自身はDNA鑑定に乗り気ではなかったため、イザベルちゃん自身に受けさせることにした。

一方、シナートさんもDNA鑑定を受けることが決まっており、何の偶然なのかシナートさんとイザベルちゃんはほぼ同時期に検査結果を受け取った。するとその内容は、驚くべきものだった。シナートさんの近親者の欄にイザベルちゃんの名前があったのだ。

「はじめはまったく理解できませんでした。『あなたはこの人と49.96%のDNAを共有しています。彼女はあなたの娘だと予想されます』と書いてあったんです。陣痛が来たこともなければ子どももいないのに、明らかにおかしいですよね」とシナートさんはその時を振り返る。

その後、シナートさんはイザベルちゃんにメッセージを送付し確認することに。すると、イザベルちゃんの母親が自分と同じ誕生日で、共に韓国から養子に出されていたことを知り、すぐに自分が双子の姉妹であると知った。

ブッシュネルさんは「すぐに私の心の穴が埋められました。私を愛し、慕ってくれる家族がいて、本当に素晴らしい存在であるにも関わらず、常に切り離されているような感覚がありました。私に一卵性双生児の姉妹がいることを知ってすべてがはっきりしました。ようやく辻褄が合ったんです」と語った。

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