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無重力空間で1年間過ごした宇宙飛行士の心臓の大きさが約3分の2に縮小!将来の火星任務に懸念
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  • 2021.04.16
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無重力空間で1年間過ごした宇宙飛行士の心臓の大きさが約3分の2に縮小!将来の火星任務に懸念

文:ヤジマミユキ

そう遠くない将来、民間人の宇宙旅行は一般的になるだろう。そこで考えておかなければならないのが、重力との付き合い方だ。

長期間、無重力状態で過ごすと、人間の身体に驚きの変化が起こると、先月29日、アメリカ心臓学会の学術誌『Circulation』に掲載された。

週6回の運動をしていたものの

宇宙飛行士スコット・ケリーさんは2015年3月27日に地球を経ち、そして約1年後の2016年3月2日に宇宙から帰還。科学者たちが出発前と帰還後のケリーさんの心臓の質量を比べたところ、6.7オンスから4.9オンス(1オンス=約28グラム)に縮小したことが判明した。

重力のない宇宙では、人間の身体にさまざまな変化が起き、頭が膨らんだり、足が縮んだり、骨がもろくなったりすることは知られているが、心臓の重さが約3分の1減っていたとは驚きだ。

ケリーさんは約1年間の宇宙滞在中、週に6日はランニングマシンやフィットネスバイク、その他のフィットネスマシンを使って運動していた。「国際宇宙ステーションでは、自宅の時よりも追い込んでエクササイズをしていた」と語っていたものの、無重力状態での心臓の縮小は防げなかった。

今回の研究の筆頭著者であり、テキサス大学サウスウェスタン・メディカル・センター、およびテキサス・ヘルス・プレスビティリアン・ダラスの内科教授であるベンジャミン・D・レヴィン博士は、ケリーさんの心臓の変化は決してネガティブなものには見えないと『The New York Times』で述べている。

それどころか、この1年間驚くほどよく機能していたとして「彼の心臓は、重力の減少にもしっかり適応して、機能不全に陥ることも、致命的なレベルまで能力が下がることもありませんでした。適切な健康状態を維持していて、まるで宇宙に行くのをわかって縮小していたようです」と語っている。無重力状態では、地球のように心臓のポンプを強く使う必要が無かったのだ。

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