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阿曽山大噴火
芸人/裁判ウォッチャー
月曜日から金曜日の9時~5時で、裁判所に定期券で通う、裁判傍聴のプロ。裁判ウォッチャーとして、テレビ、ラジオのレギュラーや、雑誌、ウェブサイトでの連載を持つ。パチスロもすでにプロの域に達している。また、ファッションにも独自のポリシーを持ち、“男のスカート”にこだわっている。
裁判官「私、初めて聞いたんですけど、うなぎ文」
今回は、2020年3月にメルカリ社員で「ふぁぼったー」管理人だったT被告人(35歳)が、自分のツイッターに「私はコロナだ」「濃厚接触者の会」と投稿し、東京都千代田区の飲食店の通常業務を妨害したという裁判の後半戦。前回は、T被告人がADHDで、思いついたことを発言・ツイートしてしまう人物であることが明かされた。早速、その続きから。
検察官からの質問です。
検察官「当時、コロナが問題になってるのは知ってましたね?」
T被告人「はい」
検察官「当時、感染してたんですか?」
T被告人「いえ、罹患していません」
検察官「被告人のツイートを見た人はホントかウソかわかりますか?」
T被告人「うなぎ文の文章ですので、うなぎ文のジョークとわかると思います」
そういうもんなんですね。ツイッターのちょこっとつぶやく程度だから、ウソかもしれないなぁではなく、「私はコロナだ」とか単なるうなぎ文かよ…とそこで判断しなきゃいけないツイートだったみたいです。そもそも、うなぎ文という言葉を知らなかったもので、学がない私には冗談の判別がつきにくいと思っていたら、
裁判官「私、初めて聞いたんですけど、うなぎ文」
仲間発見。この法廷に私の他にもうひとり、知らない人間が紛れ込んでました。
裁判官「恥ずかしながら知らなかったんですけど、多くの人が見てわかるもんなんですか?」
T被告人「全員ではないです。わかりにくかったかもしれません」
裁判官「知らなくて今恥ずかしいと思っているんですが、多数を占めるんですか? 知ってる人」
T被告人「多くはないと思います」
そこまでメジャーな存在ではないことを裁判官が確認です。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥を説明するのにちょうどいいワンシーン。
裁判官「21時13分。店内で写真撮ってますけど、この時までにツイッターの反応は見てましたか?」
T被告人「(スマホの待ち受け画面に)通知がたくさん来ていたので気づいてなかったと思います」
検察官「21時14分。ビールグラスのロゴを正面に向けて撮り直してますよね?」
T被告人「見やすくするために変えたわけではありません」
撮ったか否か訊いているのに、勝手に意図を汲んだのか理由を否定するT被告人。
検察官「ロゴを正面にしましたか?」
T被告人「えー。あの、正面に来たと」
検察官「意識的かどうかはさて置き、店が特定できますよね?」
T被告人「店のロゴかビールメーカーのロゴかわかっていませんでした」
この原稿を書いている今もツイートは削除されていないので、この写真を閲覧することは可能なんだけど、ハッキリと店名が書かれたロゴなんです。当時は気づかすに撮影してたんだろうけど。
検察官「この写真と供に、“濃厚接触の会”と」
T被告人「はい。流行言葉として」
検察官「どういう意味でツイートを?」
T被告人「定義はあるんでしょうか、濃厚接触者がいる会…私が思ったのは、多人数の飲み会やカラオケは避けるべきとメディアで言われていたので」
さっきのうなぎ文と比べると冗談かもしれないなぁというのはわかりやすいですね。定義もはっきりしてないし、2019年以前であれば濃厚接触って、エッチないやらしいイメージのある言葉で、当時は違和感のある使い方だったかなと。ふざけて濃厚接触と使っているのは珍しくなかったので。
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