文:岩見旦
平均継続期間が1年以上の英会話スクール
日本企業のグローバル化の加速に伴い、ビジネスの現場で高い英語力が求められるようになった。スカイプなどを利用したオンライン英会話に精を出している人も多いだろう。ところがある調査によると、オンライン英会話を70%の人が半年以内に辞め、1年以上継続した人はわずか6%だという。英語をマスターできた人は、さらに少ないだろう。英語学習においてキーとなるのは継続力だ。かくいう私も現在英語を学習しているが、過去に何度も挫折した経験がある。
そんな中、平均継続期間が1年以上という驚異の数字を叩き出しているのが、大阪に拠点を置くオンライン専門の英会話スクール「英会話のNEW」だ。ネイティブの外国人講師と英語で交換日記を行うサービスを提供する「外国人と交換日記コース」で人気を博している。
「英会話のNEW」で受講生はなぜ英語学習を継続できるのか。その秘密を探るべく、代表の岩崎達矢氏に話を伺った。
代表はシルク・ドゥ・ソレイユの元通訳
―― 岩崎さんはユニークな経歴をお持ちですよね。
岩崎:高校卒業してからすぐ、大阪に出てきて、フリーターをしながらバンドマンをしていました。29歳の時、バンドが解散して挫折したのですが、そこで初めて就職活動を始めました。ただ、学歴もないし職歴もない。一応、TOEICは920あったのですが、上手く行かず悶々とした日々を過ごしていました。
そんな時、面接帰りにたまたま入ったレコード屋で、おじさんに話し掛けられて、知り合いがちょうど英語が話せる人を探しているということで、当時フジテレビが誘致していたシルク・ドゥ・ソレイユの通訳になりました。
―― スゴい出会いですね!
岩崎:本当に偶然というか、運だけで生きてるんですけど(笑)。シルク・ドゥ・ソレイユでは本当にいい経験をさせていただきました。大阪公演と東京公演に同行したのですが、演者さんとスタッフで100人ほど外国人の方がいて、滞りなく公演をできるようにサポート役をしました。世界トップレベルのプロフェッショナルを間近で見られて、勉強になりましたね。
その後はアメリカの音楽ベンチャーで5年間働きました。日本のクライアントが出来て、音楽に詳しくて英語が出来る人を探していると、バンド時代の知人に紹介してもらいました。まだ黎明期だったレコメンデーションシステムを扱う会社で、本社はアメリカにあるんですが、全員オンラインで仕事をしていていました。私は高卒なんですが、それ以外の社員が全員ハーバード大学卒というとんでもない人たちの中に入ってしまって(笑)。
―― 今、コロナ禍でテレワークが浸透しましたけど、当時から同じような働き方をしていたんですね。
岩崎:世界中のメンバーと日々チャットで英語を書いてコミュニケーションをするのですが、その時、私のスピーキング力が大きく上がりました。ライティングとスピーキングは、脳の同じ部分を使うんですよね。書くことの重要性は私自身がそこで体感しました。
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