LIFE STYLE | 2020/09/01

飼い猫を亡くし悲しみに暮れる自閉症男性、18歳の誕生日に子猫をサプライズで贈られ歓喜の涙

文:新免那月
犬や猫などは古くから私たち人間の生活を支えてきた。今ではペットとして大切な友達や家族の一員として、日々の...

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文:新免那月

犬や猫などは古くから私たち人間の生活を支えてきた。今ではペットとして大切な友達や家族の一員として、日々の生活に安らぎを与えてくれる。特にコミュニケーションを取ることが難しい自閉症スペクトラム障害の人にとっては、かけがえのない存在となる場合が多い。

そんな中、ある自閉症の男性と子猫との出会いの瞬間が今、SNS上で話題となっている。

心の安らぎを与えてくれた飼い猫の存在

米国オハイオ州に暮らすモーガン・ローズベリーさんは、3歳の時に自閉症スペクトラム障害と診断された。母親のシンディさんは英紙『Metro』の取材に「当時2、3歳の息子は100まで数えたり、自分の名前を書いたり、おもちゃのレゴを組み立てたりと非常に高い知能を持っていました。しかしコミュニケーションを取ることは困難でした」と語る。

人間関係を築くことが難しかったモーガンさんは、学校ではいじめに遭っていた。結局、モーガンさんは「一般的な」学校から自閉症の子どもが通う学校に移ることに。現在、売上の一部を生活弱者のために使うチャリティーショップで働きながら、家族に囲まれ、社会とつながりを持ちながら生活を送っていた。

そんなモーガンさんの心に安らぎを与えていたのは、10年以上にわたって飼っていた猫のタビーだ。モーガンさんはまるで自分の娘のようにタビーを可愛がっていた。シンディーさんによると、タビーが家に来た当初、神経質で1匹でいることが多かったという。しかし「時間が経つにつれて人懐っこくなり、特にモーガンさんにはべったりでした」と明かす。

ところが、幸せな時間は永遠には続かなかった。昨年9月にタビーが16歳で亡くなったのだ。モーガンさんはタビーの葬儀で司会を務め、最愛の猫に別れを告げた。

モーガンさんはタビーの葬儀以来、あまりのショックでずっとふさぎ込んでいた。そんなモーガンさんの18歳の誕生日と高校卒業のお祝いに、家族は子猫をプレゼントすることにした。モーガンさんにとってタビーが非常に大きな存在であったし、「誕生日と卒業のお祝いを前に、息子が新しい猫を飼ってもいいか尋ねてきた」ことも決め手になったとシンディさんは説明する。

子猫を抱きかかえ、涙を流して喜ぶ自閉症の男性

パーティー当日、プレゼントを渡されたモーガンさんは家族に見守られながら、その1つを開封した。すると、中には猫用のおもちゃが入っており、最初は困惑していたが、続いての箱が手渡された瞬間、モーガンさんはすべてに気づいたようだ。

箱から出てきたのは、黒いメスの子猫。モーガンさんはその子猫を両手で優しく抱きかかえ、静かに涙を流しながら頬ずりした。そして、すぐにこの子猫を、ディズニー映画『ライオン・キング2』に登場するメスライオンのキャラクターである「ビタニ」と名付けた。

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