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『頑張れ』ではなく『ともにいる』と伝えること。地域と向き合い寄り添うアートの形【連載】「ビジネス」としての地域×アート。BEPPU PROJECT解体新書(8)
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  • 2020.06.19
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『頑張れ』ではなく『ともにいる』と伝えること。地域と向き合い寄り添うアートの形【連載】「ビジネス」としての地域×アート。BEPPU PROJECT解体新書(8)

スタッフの心の叫びに気づかされた、BEPPU PROJECTの活動の意味

現在のオフィスの様子。マスクを着用し、換気を徹底した環境で、今アートにできることを日々スタッフと模索している

こんな偉そうに、青臭いことを恥ずかしげもなく書いているのは、今日あるスタッフのこんな想いを聞いたからです。

「つい最近、学生の頃から親のように接してくれている方が営む食堂に行きました。その方は看板料理をテイクアウトで出せないかと試行錯誤したけれど、断念したのだそうです。地域の方と足並みを揃えたいと思ったけれど、最後まで納得できなかった。この味は、この店で、この雰囲気の中で食べてもらうから味わえるのだと気がついたって言うんです。だからテイクアウトはお断りすることにした。人にはそれぞれの価値観や考え方がある。このお店の味を楽しみにしていた方は、とても残念に感じているかもしれない。もしかしたら、経営を心配した周囲の方はもう少し頑張ってみなきゃだめだよと言うかもしれない。
でも、彼女は一番大切だと信じることを貫いた。それは決して努力していないってことじゃないんです。彼女のお客様への真っ直ぐな想いであり、表現なんだと思います。
多かれ少なかれ皆疲弊しているし、心も萎縮している。それに寄り添うことができるのは、自分にとってアートしかないんじゃないかと感じ、ハッとしました。アートは人の心を癒し、共感を生み出し、これまで気にも留めなかったことに気がつかせます。一元化する価値を疑うことを思い出させます。そんな現場をたくさん見てきました。アートには答えがないけれど、想像することを促し、感じる力の尊さに気がつかせます。時にそれは、未来を切り開くヒントを与えたり、希望の光を見出すことにつながるもの、それが僕にとってのアートだと思うのです。
生活環境が変わったこともあり、正直この数年、仕事が忙しいからとか、出張が続き顔を出せないとか、そんなことを言い訳にしながらあまり顔を出すことをしてこなかったんです。でも、ちゃんと会うべき人に会いにいかねばと考えています。ちゃんと向き合わなきゃと考えています。この町ともちゃんと向き合い、寄り添っていく活動を続けたい、アーティストともに希望の光を届けたいんです」

彼の心の叫びを僕たちは聞いて、あぁ本当にこの活動を続けてよかったな、こういう気持ちがあったからこの仕事を続けてきたんだなと思い出せました。

『頑張れ』じゃない。
『ともにいる』ってことを。

リモートワーク後の僕らの近況を少しだけ紹介します。

大分県内のビジネスにクリエイティブの力を掛け合わせることで競争力の強い商品やサービスを生み出すことを目的に実施している「CREATIVE PLATFORM OITA」では、これまで対面のみで実施していたマッチングの相談受付をオンラインでも開始しました。

さっそく複数の企業からご相談をお受けしていますが、店舗の改装や商品開発など、新型コロナウイルスの感染拡大による被害はもちろん受けていますが、一方で考える時間を得たことにより、前向きに新規事業に取り組もうとしているケースが多いように感じています。先行きが不安な今、一歩踏み出そうとしている企業の思いにしっかりと寄り添い、より良い未来の実現に向けてサポートをしています。

また、2009年から継続してアーティストの居住・制作の場として運営している「清島アパート」には、今年度7名が入居しました。こちらも新型コロナウイルスの影響で全員揃うのが例年よりも遅くなりましたが、年齢もジャンルもさまざまなアーティストが全国各地から移住してきました。入居アーティストによるこれまでの活動紹介と別府滞在への抱負を語るイベントを、7月末には開催する予定です。今この時代に彼らがどのような考えを持ち、1年間の別府滞在でどのような表現を生みだしていくのかを楽しみにしています。

また、個展形式の芸術祭「in BEPPU」と市民芸術祭「ベップ・アート・マンス」は、新たな手法を発明するために、日々話し合いを続けています。

みなさんも、自分自身の健康と世界に対する想像力を持ち、どうぞ日々を豊かに、大切にお過ごしください。また会う日まで。

僕はとても元気です。
やっとダイエットを始めました。


【BEPPU PROJECTからのおしらせ】
ECビジネス成長戦略セミナー/「クリエイティブ相談室」説明会 同時開催

新型コロナウイルスが経済にも大きな影響を与えるなか、オンラインショップでの販売やデジタル活用などに取り組む企業が増えています。オンラインによる売上や集客の拡大を目指す方を対象に、効果的なデジタル活用の方法をご紹介するECビジネス成長戦略セミナーを開催します。

また、クリエイティブな発想を活用して企業の課題解決を支援するCREATIVE PLATFORM OITAの「クリエイティブ相談室」の説明会も同時開催します。

■日時:2020年6月25日(木)14:00 – 16:00(13:30開場)
■会場:J:COM ホルトホール大分2階 セミナールームL(大分市金池南1丁目5番1号)
■定員:30名程度
■参加費:無料
■申込締切:6月23日(火)

イベントの詳細はこちらをご覧ください
http://creativeoita.jp/features/seminar_cpobriefing/r2_6

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