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文:仲田拓也
テレワークやイベントの自粛など、新型コロナウイルスの感染拡大によって日常の生活様式は一変した。最も大きな変化と言えるのがマスクの着用だろう。以前なら見かけることが少なかった季節や場所でも、多くの人がマスクを着用するようになった。
そんな中、マスク着用に関して注目すべき研究結果を、ハーバード大学の研究チームが発表した。
最も効果的な対策は禁欲
ジャック・ターバン博士が率いるハーバード大学の研究チームは5月8日、米国内科学会によって発行される医学学術雑誌『Annals of Internal Medicine』に性交渉中における新型コロナウイルスの感染リスクについての研究発表を行った。その中で、感染を避けるためには性交渉中もマスクやフェイスシールドを着用した方がよいと発表した。
また、ウイルスが口から感染する可能性もあるため、キスや口による行為を避け、精液や尿への対策を行うべきだと促している。さらに性交渉の前後にはシャワーを浴びることや、アルコール消毒液や石鹸などを使用し、空間を洗浄することを推奨している。
この研究では性交渉における感染リスクをランク付けしており、隔離された場所で一緒にいる人との性交渉は比較的安全だともしているが、それでもパートナーの1人が外出先などで感染している可能性はゼロではないことから、最もリスクが低いのは性交渉をしない、つまり禁欲としている。とはいえ研究者たちも禁欲の難しさは認めているようだ。