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「東日本大震災時よりも低い興行収入」「ハリウッドでも大作制作の危機」新型コロナ禍に揺れる映画業界【連載】松崎健夫の映画ビジネス考(21)
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  • 2020.04.24
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「東日本大震災時よりも低い興行収入」「ハリウッドでも大作制作の危機」新型コロナ禍に揺れる映画業界【連載】松崎健夫の映画ビジネス考(21)

ハリウッドの映画界も壊滅状態にある

話題作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』も4月10日の公開予定が11月20日へと延期となった

現在、映画の本場ハリウッドでは、全ての映画やドラマの撮影がストップし、再開の見通しは未だ立っていない。例えば、ロバート・パティンソンがバットマン役を演じる『The Batman』(21)は2021年6月公開予定だったが、公開を同年10月に延期。撮影中だった作品は、25%ほどの撮影を終えていたものの、現在は製作自体がストップしていると報じられた。

新型コロナ禍によって公開延期となった作品は、シリーズ最新作となる『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(20)やマーベル・シネマティック・ユニバースの新作『ブラック・ウィドウ』(20)、続編となる『ワンダーウーマン1984』(20)やトム・クルーズが再登板する34年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』(20)など数多あり、公開延期の理由に関しては、どの作品も「新型コロナウィルスの感染拡大防止のため」「観客の健康と安全を第一に考える」としている。延期をすれば、いずれ新型コロナ禍が終息した時に、公開作品が交通渋滞のような状況になる時期がやってくる。そうすると、本来であれば観客を呼べた作品が観客の分散によって、当初試算していたような興行成績を“渋滞”という状況によって得られなくなる可能性もある。

日本での興行成績が激減したのは先述の通りだが、アメリカにおいても2020年3月最終週の北米興行成績は、わずか43万円という史上最低の記録だった。現在はアメリカ全土の映画館が休館しているため、興行成績(Box Office)がハリウッド映画の歴史として初めて「発表されない」という事態になっている。今後の展望として、アメリカにおけるガイドラインでは、

①新型コロナウイルス感染の新規症例や一般のインフルエンザ症状の減少が明確になった場合

②病院が医療従事者への過度な負担をかけることなく新型コロナウイルス感染症患者の治療ができるようになった場合

このふたつを14日間継続できれば、一定の空席などを設けることによって劇場再開の可能性があるとしている。しかし、北米の映画館が6月まで休館された場合、年間の興行成績は前年の4割減という試算まであり、俳優や監督といった映画人だけでなく、映画館の従業員にも経済的な影響が及ぶため展望は決して明るくない。

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