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ロックダウン生活5週目突入!経済補償は?オンライン授業は?オランダのリアルをお伝えします【連載】オランダ発スロージャーナリズム(23)
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  • 2020.04.15
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ロックダウン生活5週目突入!経済補償は?オンライン授業は?オランダのリアルをお伝えします【連載】オランダ発スロージャーナリズム(23)

いつもは大変な賑わいを見せる花屋と、サンドウィッチスタンドも開店休業状態

過去の連載はこちら

吉田和充(ヨシダ カズミツ)

ニューロマジック アムステルダム Co-funder&CEO/Creative Director

1997年博報堂入社。キャンペーン/CM制作本数400本。イベント、商品開発、企業の海外進出業務や店舗デザインなど入社以来一貫してクリエイティブ担当。ACCグランプリなど受賞歴多数。2016年退社後、家族の教育環境を考えてオランダへ拠点を移す。日本企業のみならず、オランダ企業のクリエイティブディレクションや、日欧横断プロジェクト、Web制作やサービスデザイン業務など多数担当。保育士資格も有する。海外子育てを綴ったブログ「おとよん」は、子育てパパママのみならず学生にも大人気。
http://otoyon.com/

暗く、寒く、そして雨ばかり。そんな長かった冬も終わり、今年もついに待ちに待った春がやってきたオランダ。え、こんなところにも?というくらい、街のあちこちには花が咲き始め、桜も見事に満開。見事なまでに咲き誇っています。そして、イースターとなった週末の連休は、まさにキリストの復活をお祝いするのにふさわしい最高の天気が続いています。

と、こんな素晴らしい季節を迎えているものの、完全に新型コロナウイルスが蔓延してしまったオランダは、ロックダウン5週目を迎えています。そうです。自粛生活に入ってすでに1カ月経過しているのです。

この連載の1つ前の記事「オランダでも自粛や買い占めが始まった。新型コロナ感染拡大下の緊急レポート(3月16日時点)」は、まさにロックダウンに入った直後のレポートをしました。今、日本では広範に自粛要請が出されていますが、もしかしたらこのオランダ(欧州)のロックダウンの状況は参考になるのではないか?ということで、引き続きオランダのロックダウンの様子をレポートします。

なお、この手の記事には、毎回「うちの周りはそんなことはない」「うちのエリアとはまったく違う」などのコメントが寄せられます。たぶん、その各コメントの通りで、これはオランダを代表するレポートでもなければ、オランダ政府の統一見解でもありません。あくまでも筆者の周りで起こっている出来事や、そこから感じることをレポートしています。ということでオランダの一つの例、あるいは個人的な見方であることをご理解いただき、読み進めていただくことをお願いします。

毎日が日曜日

筆者の住むユトレヒトはミッフィーの生まれ故郷。町中の店には作者のディック・ブルーナさんが描いたキャラが張り出されています。

まず、この1カ月強。簡単に言うと、毎日が日曜日です。いや、もちろん意識的にはカレンダー通りではあるものの、実質的には毎日が日曜日。ずーっと家族全員、自宅にいます。出かけるのは、食糧などの生活必需品を、家から徒歩1分のところにあるスーパーへ買い物に行く時だけ。その他、誰もいない原っぱにサッカーをしに行ったり、誰もいない牧場や森へランニングへ出かけるだけです。自分は、元々日本向けの仕事は完全リモートだったので、これについてはまったく変わらず。オランダ国内の打ち合わせもすべてリモートに移行。日本からの視察や、逆に自分が日本へ行く、ということはまったくなくなりました。オランダでピラティスを教えていた妻は、すべてのレッスンをオンラインに移行し、逆に日本からの参加者も増えた、という状況になっています。

でも、実はこういう生活ができる環境にいるのは非常に恵まれているのかもしれません。なぜなら、この間、自宅勤務やオンライン勤務に変えたくてもできない、むしろ、対コロナウイルスの最前線で戦っている、政府・自治体関係者、医療従事者、警察、消防、運送、スーパー関係者など多くの人が、この状況を支えてくれているからです。

オランダの感染者数は4月14日の時点で、感染者数が2万7419人 (前日比+868)、そのうち死亡者数が2945人 (同+122) 。全人口が1700万人の小国ですが、日本と比べるとかなり蔓延してしまっているのが実情です。ICUへの収容者数は、ロックダウン5週目に入ってもいまだ日々増えているのですが、そのペースは少し緩まってきているようで、ようやく前日比でマイナスになるという感じになってきました。政府としては、ロックダウンをしなかった場合よりはそのペースは抑えられている、という見立てです。まだまだ予断は許さないもののICUの病床が足りなくなる、という状況はなんとか防げそう、という状況です(もっとも、実はオランダ人がドイツのICUに56人収容されていますが)。

飲食店、美容院、コーヒーショップ(大麻ショップ)、その他の店もほぼほぼすべて閉店しており、スーパーなどが営業しているものの、街は本当に閑散としています。レストランやカフェも、テイクアウトのみ営業は許可されているものの、そもそも買い物などで出歩いている人もいないので、実質閉店しているところが多いようです。

お客さんはいないものの、なぜか営業しているコーヒーショップ。窓にはディック・ブルーナのポスターが。

飲食店などの店舗に限らず、フリーランス、そして企業の従業員に対しての補償も進んでおり申請はすべてネットで完結します。オランダは元々税金の申告などもすべてネットで完結できるのですが、今回も比較的、簡易にできるように思います。

細かな申請条件や、その審査などももちろん行われるので、現時点でどこまでの補償があるのかまだハッキリ分かりませんが、「3カ月分の給料が100%補償される」というのが一応の目安です。飲食店や企業の従業員であれば、給与がどのくらい減るのか? 売り上げがどのくらい落ちるのか? フリーランスであれば、元の収入がいくらなのか?などなどによって違います。自分が把握している情報では、職種や業種による差はないように思います。

本来はカフェのテラス席でビッシリの運河沿いも人がいない。お店ももちろん閉店。

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