LIFE STYLE | 2020/04/15

暴行事件に巻き込まれ命を落としたサッカー選手、臓器提供で7人の命を救う「今も心臓は動いています」

文:山本久留美
頭蓋骨を骨折し、昏睡状態で発見されたサッカー選手
イギリスのマトロック・タウンFCに所属するサッカー...

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文:山本久留美

頭蓋骨を骨折し、昏睡状態で発見されたサッカー選手

イギリスのマトロック・タウンFCに所属するサッカー選手のジョーダン・シノット選手(25歳)は1月24日の夜、レットフォードへの外出中、暴行事件に巻き込まれた。翌日朝、ジョーダン選手は頭蓋骨を骨折し、昏睡状態で発見された。後に、2名の男性が過失致死の容疑で起訴されている。

シェフィールド北部の総合病院に搬送されたジョーダン選手は生命維持装置につながれており、母親であるメラニー・タイトさん(51歳)は医師から「回復の見込みはない」と告げられた。その時、メラニーさんはジョーダン選手が生前ある話をしていたことを思い出した。

ジョーダン選手は「自分の身に何かあったら臓器提供をしたい」と家族に話していたのだ。そこで家族は、ジョーダン選手の願いを叶えることにした。

メラニーさんは、その時のことを「『愛する人のための臓器が見つかった』と、臓器を必要としている人たちへ告げる電話の様子が思い浮かんだのです。臓器提供は命を贈ることです。人生の中で最も価値のある贈り物でしょう」と『Mirror』の取材で振り返った。

ジョーダン選手が臓器提供のため手術室に運ばれる時、看護師や職員は家族に敬意を示して起立した。そして、家族はジョーダン選手の最後の旅に同行した。「息子が手術室に運ばれた時、職員たちは1分間の黙祷を捧げてくれました」とメラニーさん。

ジョーダンさんの臓器提供により、20歳〜50歳の少なくとも7人を救い、新たな命をつないだ。軍人や火傷を負った人たち数十人も、ジョーダンさんから皮膚移植を受けたとのこと。兄であるトムさんは、「ジョーダンは人に奉仕することが大好きでした。命を落としても、彼は他人に奉仕し続けています。今も心臓は動いています」と語った。

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