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コロナが理由の在宅勤務で「減給」「残業代なし」は通用する? 蔓延中の休業補償問題【連載】FINDERSビジネス法律相談所(21)
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  • 2020.04.14
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コロナが理由の在宅勤務で「減給」「残業代なし」は通用する? 蔓延中の休業補償問題【連載】FINDERSビジネス法律相談所(21)

「在宅勤務で減給」「テレワークで残業代なし」はOK?

「在宅勤務やテレワークなどを導入する企業は非常に増えています。それと同時に増えている相談として、「在宅勤務の日は事業場外みなしを理由に給与額8割と会社に言われた」「テレワーク勤務の日は残業代なしと言われた」などというケースが出ています。

言われた従業員の側からすると、「自宅で仕事できるのだから、まぁ仕方ない」「自宅に居たら仕事の合間に仕事以外の家事をしたり、サボったりもできてしまうし、そういうものか」などという思いから、諦めかけている人もいるかもしれません。しかしながら、上記のような会社の言い分は認められないケースがほとんどです。

労働基準法38条の2は、事業場外みなし制を定めているものの、その適用は厳格に判断されています。すなわち、労働者が労働時間の全部または一部をオフィス外で仕事し、労働時間を算定しにくい時は、所定労働時間など一定時間労働したものとみなす制度です。そして、ここでの「労働時間を算定しにくい時」の要件は厳格に解されています。

ITが発達した現代では、携帯電話やインターネットにおいて、オフィス外における労働者の勤務状況を把握することは困難ではありません。自宅のインターネット接続環境で会社からの指示を受けつつパソコン業務を行えるケースでは、「労働時間を算定しにくい」とは言えません。

また、退勤管理ができない自宅業務の場合でも、タスク管理ツールなどを使えば労働時間の管理ができます。労働時間の管理義務は経営者にあります。経営者側の管理の都合だけで、実際に残業をしている従業員の残業代が支払われないというようなことは認められません。

新型コロナによる影響はほとんどの人にとって未曾有の非常事態です。しかし、そうした状況だからこそ、人類がこのウイルスという敵に打ち克った後の世界を見据え、一人一人が希望を持ち続け、確かな情報を頼りに、絶えず思考し続けていくことがとても大切であるように思います。


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