CULTURE | 2019/12/09

かつての2枚組CDに入っていた薄いスポンジはすぐに捨てるべき!劣化してディスクがボロボロに

文:藤枝あおい
あなたの家に眠るCDは、今も正常な状態を保っているだろうか。
かつての2枚組のCDには、盤面保護のた...

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文:藤枝あおい

あなたの家に眠るCDは、今も正常な状態を保っているだろうか。

かつての2枚組のCDには、盤面保護のため薄いスポンジが挟んであった。しかし、あのスポンジによりCDが再生できなくなってしまっているかもしれない。

斑点が浮かび上がった30年ほど前のCD

あるTwitterユーザーは30年ほど前に製造された、2枚組のCDが再生できなくなっていることに気付いた。ツイートによると、その2枚組のCDには薄いスポンジが挟んであり、「このスポンジが経年劣化でボロボロになり、さらに一緒に入っていたCDがみな、なぜか剥離を起こし再生できなくなる」という現象が起きてしまったという。

そして、「取り急ぎ確認の上、スポンジを捨てた方が良い」と呼びかけ、劣化で裂けてしまっているスポンジや、中心部に斑点が浮かび上がり、明らかに異常だとわかるCDの写真も併せて掲載した。11月22日に投稿されたこのツイートは、現在までに2万6000件以上のリツイートがあり、2万1000件を超える「いいね」が付けられた。

このツイートには同様の被害に遭った人からの報告が多数寄せられ、「虫食いに侵食されたように溶けていました」「危機一髪で救い出すことが出来ました」などの声が挙がった。また、メーカーに問い合わせた人によると「スポンジは運送時の緩衝材のため、購入後は取り除いて下さい」と言われたという。

加水分解がディスクに影響か

こうした状況の原因について、スポンジの劣化による加水分解という現象が起きたことが、CDに影響したのではないかと考えられている。

加水分解とは水に反応して分解生成物が発生すること。保管状態によって湿気がスポンジに影響し、水酸化物が遊離し、CDの箔の部分や金属を傷つけ侵食してしまったというのだ。

劣化がひどいものはCDのクリーニングキットなどを使用しても修復できず、音源を聴くことができない状態だ。また、スポンジの劣化が加水分解を助長した可能性は高いが、80年代半ば頃までに生産されたCDは、スポンジがなくとも同様の状態に陥る可能性があり、保管には十分に注意が必要なのだという。

まずは、自宅にあるCDを確認し、スポンジを取り除くこと。さらに湿気には十分に注意して保管することが大切だろう。またCDが劣化する前に音源をパソコンなどに保存しておくのも得策と言えそうだ。