世界で戦えるディープテック・スタートアップ創出を目指して
産業技術総合研究所 (産総研)は、次世代のディープテック人材を育成する 「覚醒プロジェクト」 の2025年度公募を開始した。このプロジェクトは、独創的なアイデアを持つ若手研究者に、研究開発の機会と充実した支援を提供するものだ。
近年、ディープテック分野での革新的な技術開発が世界的に注目を集めている。しかし、独創的なアイデアを持つ若手研究者が、その発想を形にし、技術シーズ化するまでには多くの障壁が存在する。このため経済産業省においても世界で戦えるディープテック・スタートアップの創出を目指した施策を推進している。
産総研の 「覚醒プロジェクト」 は、まさにこの課題に応えるべく2023年に創設、AI、生命工学、材料・化学、量子の4つの研究領域において、斬新かつ独創的な研究開発テーマを募集し、選ばれた若手研究者に対し、1研究テーマあたり300万円程度の事業費 (給与+研究費) が支給されるほか、産総研が保有する最先端研究施設を無償で利用できる。
さらに、AI橋渡しクラウド(ABCI)やマテリアル・プロセスイノベーション プラットフォーム(MPIプラットフォーム)といった、通常では利用が難しい高度な研究設備が使用可能となる点だ。これにより、研究者は最先端の環境で自身のアイデアを追求できるほか、トップレベルの研究者であるプロジェクトマネージャー(PM)による指導・助言も受けられる。
対象となるのは、大学院生 (博士前期課程、博士後期課程) や、大学、研究機関、企業等に所属する社会人だ。ただし、2025年4月1日時点で学士取得後15年以内であることが条件となる。応募期間は2025年2月7日から3月31日まで。4月に審査が行われ、5月から6月にかけて契約締結の運びとなる。研究開発期間は2025年7月1日から2026年3月31日までの9カ月間だ。
ディープテック分野での革新的な技術開発に挑戦したい若手研究者が本プロジェクトを活用することで、より多くのディープテック・スタートアップが生まれることに期待したい。
「覚醒プロジェクト」 2025年度公募 概要
募集分野:AI、生命工学、材料・化学、量子
対象者:大学院生 (博士前期課程/博士後期課程)、社会人(大学や研究機関/企業等に所属)
応募期間:2025年2月7日(金)~2025年3月31日(月)
研究開発期間:2025年7月1日(火)~2026年3月31日(火) (9カ月間)
支援内容:1研究テーマあたり300万円程度の事業費、産総研保有の最先端研究施設の無償利用、PMによる指導・助言
覚醒プロジェクト公式サイト
https://kakusei.aist.go.jp/r7/