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BUSINESS | 2025/03/21

地域のステークホルダーとの新しい出会いと対話からオープンイノベーションの創出を実現する

連載:最先端研究×産学融合で日本を変える!「Jイノベ」の挑戦

東海国立大学機構 Tokai Open Innovation Complex

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 経済産業省では、長期的・持続的な日本経済の発展のため、大学や、高専等の機関を中心とした研究拠点より、企業ネットワークのハブとして活躍している産学連携拠点を評価・選抜 (国際展開型と地域貢献型の2類型) する 「J-Innovation HUB 地域オープンイノベーション拠点選抜事業」 を令和2年度より行っている。また、令和5年度より 「地域の中核大学の産学融合拠点の整備」 についての補助事業終了後から新たにプラットフォーム型としての選抜も始まっている。

令和6年度についても、令和5年6月25日から7月29日までの公募期間中、5件の申請があり、第6回目として地域貢献型1拠点が選抜された。

本連載では、新たに選抜された拠点およびプラットフォーム型の取組等を紹介する。  

Jイノベ 地域オープンイノベーション拠点選抜制度

J-Innovation HUB 地域オープンイノベーション拠点選抜制度 プラットフォーム型拠点~東海国立大学機構 Tokai Open Innovation Complex

東海国立大学機構(岐阜大学・名古屋大学)の 「Tokai Open Innovation Complex」(TOIC)は、東海国立大学機構の研究リソースを活かし、先端素材、カーボンニュートラル、DXの3分野を中心としたオープンイノベーションを推進する産学融合拠点である。TOICは、岐阜大学と名古屋大学の2つのキャンパスに同様のコンセプトの施設を整備し、どちらか一方のサイトにアクセスすれば両大学とつながることができる。

Tokai Open Innovation Complex (TOIC)のコンセプトと機能

TOICのコンセプトは、「東海地域の課題解決に取り組むことにより、イノベーションを創出し地域の活性化を実現」 することである。そして、産学交流、起業活動、共同研究の3つを支援する取組を2サイトが連携することで、大学と企業やベンチャー、行政など多様なステークホルダーとの新たな出会いを生み出し、イノベーションの創出を支援している。

岐阜大学にある 「岐阜サイト」、名古屋大学にある 「名古屋サイト」 は、同様のコンセプトで施設を整備していて、低層階にはイベント開催が可能な産学交流を促すコワーキングスペースを、高層階には起業活動や共同研究を展開するオフィスやラボスペースを整備している。施設運営については、コワーキングエリアの運営委託、地域金融機関との連携、同じJイノベの名古屋大学未来材料・システム研究所 (IMaSS)との連携等、特徴的な運営を行っている。

TOIC岐阜サイト
TOIC名古屋サイト

沖原理沙氏 (東海国立大学機構 学術研究・産学官連携統括本部 兼 名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部 URA)は、TOICの取り組みについて次のように話す。「TOICでは、中部地域の産業に即したオープンイノベーション創出を推進すべく、岐阜と名古屋の両サイトが互いの特徴を活かしつつ連携し、学内外の多様な組織と協働しながら、産学交流を促進する企画を実施しています。岐阜サイトでは、研究者と企業人との共創の場となるリカレント教育プログラムを実施する他、地域金融機関が拠点に入居し、起業プログラム及びメンター支援をする等の取組みを行っています。名古屋サイトでは、コミュニケーターが常駐し、学内外の拠点利用者同士を繋ぐ機能を強化しています。多様なフェーズの大学発ベンチャーの他、東海国立大学機構の出資子会社であるTokai Innovation Institute等が入居しており、支援機能を拠点内にコンパクトに凝縮し、社会実装までの支援をスピーディーに行っています。」

東海国立大学機構 学術研究・産学官連携統括本部 兼 名古屋大学 学術研究・産学官連携統括本部 URA 沖原理沙氏 ※画像はイラスト

大垣共立銀行(OKB)がネーミングライツを取得し「OKB岐阜大学プラザ」 として運営されている「岐阜サイト」

2つのサイトは連携しているが、それぞれ独自の取り組みも行っている。大垣共立銀行(OKB)が命名権を取得し 「OKB岐阜大学プラザ」 の愛称となっている岐阜サイトの施設では、1階にプレゼンテーションエリア、カフェテリア、コワーキングスペース、ミーティングルームがあり、2階には交流・共創空間、3~4階にはオープンイノベーションオフィス、産学連携オープンラボ、共同研究等による企業の活動拠点、教員研究室などがある。

岐阜サイトの特長としては、研究者と企業人との共創の場として、「事業創造の現場で直面する課題とマネジメント」を実践できるリカレント教育プログラムや無料公開講座を提供している点が挙げられる。また2階には、地域の金融機関である大垣共立銀行(OKB)がオープンイノベーション創出支援拠点として「OKB SCLAMB」を開設している。OKBは、TOIC事業の理念に共感し、「OKB SCLAMB」で共同研究、スタートアップ企業の創出・事業化、新事業創出をサポートしている。また、オープンイノベーションを創出する様々なイベントを開催し、特に岐阜大学の起業部の学生が頻繁に利用し、起業の準備をOKB SCLAMBのスタッフに相談に乗ってもらいながら進めているという。

「OKB岐阜大学プラザ」 の愛称で呼ばれる岐阜サイト

全国でコワーキングスペースやコミュニティを手がける株式会社ATOMicaが運営する「名古屋サイト」

名古屋サイトは、全国でコワーキングスペースやコミュニティの運営・企画を手がける株式会社ATOMicaが名古屋大学の委託を受けて運営している。名古屋サイトの施設は、機能ごとにフロアを分けて使用しており、1階と2階の一部は産学交流のためのコワーキングエリアとなっており、2階は大学発スタートアップのための起業支援エリア、4階~7階は企業との共同研究エリアとなっている。1階のコワーキングエリアにあるメインディスプレイの横にはノーベル賞受賞者である天野浩教授の「社会は変えられる」というメッセージが掲げられている。また、家具は愛知県産や岐阜県産の木材を使用している。

名古屋サイトの特長としては、名古屋大学協力会との連携による新規事業挑戦企業と大学研究者・大学発ベンチャー企業との交流コミュニティの組成、入居している様々なフェーズの大学発ベンチャー同士の交流による成長の相乗効果、入居している東海国立大学機構の出資子会社のTokai Innovation Instituteによる社会実装までのスピーディーな支援などが挙げられる。

全国でコワーキングスペースなどを手がけるATOMicaが運営する 「名古屋サイト」

「Tech Innovation Smart Society」の実現へ向けて

本田宗央氏(東海国立大学機構 学術研究・産学官連携統括本部 兼 岐阜大学 学術研究・産学官連携推進本部 特任教授)は、今後の活動について以下のようにコメントしている。「東海国立大学機構では、社会のあらゆるステークホルダーと協働し、社会課題の解決と地域が人間中心の社会「Tech Innovation Smart Society」へ転換するための活動を進めています。その一環として、両大学のキャンパスをまたいで、先端素材・DX・CN領域を中心とした産官学連携とスタートアップ育成を促進する重要な拠点とし、岐阜と名古屋の両大学キャンパスに「共同研究」、「スタートアップ」、「産学交流」の3つの取組みを支援する機能を備えた施設 『Tokai Open Innovation Complex(TOIC)』 を整備しました。知の価値化と社会還元を組織的・戦略的に進める開かれた拠点として、TOICの岐阜サイト及び名古屋サイトがその中核となり、地域の企業や金融機関、スタートアップ、行政の皆様とのオープンイノベーションを推進していきます。」

東海国立大学機構 学術研究・産学官連携統括本部 兼 岐阜大学学術研究・産学官連携推進本部 特任教授 本田宗央氏 ※画像はイラスト

東海国立大学機構  Tokai Open Innovation Complex

TOIC NAGOYA
https://toic-n.aip.thers.ac.jp/

TOIC GIFU
https://toic.aip.thers.ac.jp/gifu/

Jイノベ選抜拠点の記事一覧はこちら
https://finders.me/series/kqJTU6YwMDMwNTU