利用価値がないとされる魚、「未利用魚」 とは?
株式会社Carry On は、近年注目されている未利用魚を活用し、フードロスを減らすこと、一次産業を盛り上げることを目的とし、YouTuber 「へんな魚おじさん」 とタッグを組み同社の水産事業部が運営している 「うお樹水産」 と、「へんおじの物産展」 で未利用魚の販売を開始した。
未利用魚とは、利用価値がないとされる魚。利用価値と言っても線引きが難しいところではあるが、例えばエイやサメ。獲れた地域でエイヒレ、フカヒレを作る業者がいない場合、加工業者へ送る費用を考えると値が付かないため、未利用魚となってしまう。
また、鮮度が落ちやすく臭みが出る魚も未利用魚になってしまう。例えば、九州地方で食されるアイゴという魚も小田原では臭いと言われてしまうことにより、売ることができない。
また、大きくなれば高級魚でも子供のうちは数も揃わず未利用魚となってしまう。型が小さく、ウロコが多く、骨が多かったりする魚も飲食店では使いづらく未利用魚の扱いとなる。このように未利用魚と一括りに言っても、いろいろな理由を抱えた未利用魚がいる。
なんとかしたい 「日本の漁獲量の減少」 と 「国際的なフードロス問題」
未利用魚が近年注目され始めている問題の背景には、2つの大きな問題がある。
ひとつめが日本の漁獲量の減少だ。水産庁のデータ (*1) によると、日本の漁獲量は1984年に1,282万トンと過去最大となったが、1990年代前半から減少しはじめ、2020年には423万トンと1984年と比較すると約3分の1の漁獲量に減少している。
*1 https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R3/attach/pdf/220603_3-2.pdf
もうひとつが国際的にも議論されつつある 「フードロスの問題」 だ。国際連合食糧農業機関(FAO)が2020年に発表したデータによると、世界の漁獲量のうち約30%が廃棄されており、これは日本の漁獲量に換算すると、約100万トンもの魚が廃棄されていることになる。
漁獲量が減少している日本において、貴重な水産資源が廃棄されてしまっていることから、未利用魚を活用することはフードロスの削減へと繋がり、漁獲量の減少を少しでも改善する手段として注目されつつある。
市場に出回らない未利用魚をこの機会に
近年、技術や様々な設備に加えて、漁師たちの活動のおかげで全体の魚の質が良くなり、未利用魚と言われる魚も見直されて、セリに出されるようになってきたという。またテレビやYouTuberも様々な未利用魚を取り上げ始め、そんな魚たちを扱う料理屋さんも増えている。
しかしながら、それは一部の魚たちで、いまだに値段も安く、廃棄される魚もまだまだあり、未利用魚は市場に流通しておらず一般の消費者が購入することは難しい。
そこで今回、「へんな魚おじさん」 のオフィシャルストア 「へんおじの物産展」 で未利用魚の取扱いを開始。へんな魚おじさん自身も実際に市場に立っているため、未利用魚については詳しく、小田原港で当日の朝に獲れた新鮮な魚たちを自ら選び、安く購入できる 「未利用魚セット」 を福袋形式で販売している。
ぜひこの機会に、「へんおじの物産展」 や 「うお樹水産」 のサイトを訪れて、「未利用魚」 を購入してみてはいかがだろうか。
へんな魚おじさんの寝言【Weird Fish Dude & Beard Brother】https://www.youtube.com/@weirdfishdudebeardbrother1161
へんおじの物産展
https://henoji.theshop.jp/
うお樹水産
https://uokisuisan.theshop.jp/