書の精神性を空間に解き放つ、アートブランド「白暉-Hakurei」始動
文字の意味を読み取るより先に、墨のにじみやかすれ、余白の呼吸に心を動かされる――そんな体験を空間にもたらすアートブランドが本格的に動き出した。株式会社Rootforが手掛ける「白暉-Hakurei」は、書家・園部白麗と空間デザイナー・高野峻太朗の協働によって生まれ、2026年6月のプロジェクト始動以降、公式サイトで20作品以上を公開している。
書歴35年以上を誇る園部は、幼少期から複数の門派で書を学び、店舗看板や日本酒ラベル、ミシュランガイド三つ星・高尾山の正月大看板の干支揮毫まで、商業分野でも活躍してきた書家である。一方の高野は、店舗やオフィス、宿泊施設のブランディングや空間デザインを手掛けてきた経験から、書を単なる装飾ではなく空間の思想や物語を伝える表現として捉え直している。
伝統的な書の技術と、現代の空間デザインの視点。異なる二つの専門性が交わることで、書は「読む文字」から「感じるアート」へと姿を変える。ブランドの世界観づくりや空間体験の設計に携わる読者にとっても、伝統的な技芸と現代デザインを掛け合わせる発想のヒントになりそうだ。
和紙、木、金属、石――素材と光によって表情を変える書
白暉-Hakureiの表現は、紙の上だけで完結しない。和紙の柔らかな透過性、木の温もり、金属の冷たさと重厚感、石の静かな存在感。同じ筆致であっても、素材や加工方法、設置される環境によって作品の見え方は大きく変わる。
朝の自然光の中で見る作品と、夜の照明の下で浮かび上がる陰影とでは表情が異なり、見る人の立つ位置や時間の移ろいによっても新しい顔をのぞかせる。作品単体の美しさだけでなく、建築や照明、季節、そこを訪れる人の記憶とともに深まっていくアートを目指しているという点は、空間全体を一つの作品として設計する発想に近い。
一枚の書が額の中で完結するのではなく、空間や時間と呼応しながら変化し続ける。こうした考え方は、店舗やオフィスの内装、ブランド体験の設計に関わる読者にとっても示唆に富む視点だろう。
ホテル・旅館からオフィスまで、想いを作品化するオーダーアート
白暉-Hakureiでは、既存作品の販売に加え、設置する空間や依頼者の想いに合わせたオーダーメイド作品の制作を受け付けている。対象は宿泊施設や貸別荘にとどまらず、オフィスや企業エントランス、飲食店や物販店、住宅、さらには企業理念を表現した記念作品や海外顧客向けの贈答品まで幅広い。
制作は、目的や空間、予算、大切にしている言葉を伺うヒアリングから始まり、意味や感情の方向性を整理するコンセプト対話、書家による手作業での制作、和紙や木、金属など素材や額装の選定、そして作品証明書を添えた納品という流れで進む。企業や施設が受け継いできた土地の記憶や創業者の想いなど、まだ言葉になっていない感情を作品へと昇華する点が特徴だ。
宿泊施設のブランディングや企業理念の可視化に頭を悩ませている読者にとって、書というフィルターを通して想いを一つの作品に落とし込むという選択肢は、他にはない切り口になり得る。空間づくりや企業ブランディングの一手として、白暉-Hakureiの公式サイトで作品や事例を確認してみてはいかがだろう。
白暉-Hakurei
https://hakurei-art.com/