CULTURE | 2026/06/15

資本主義の外側にある「価値」を問う展覧会が木場で開催

SHIFT80とThe Mouse Kidが交差し、アートを通じて価値の根源を見つめ直す

FINDERS編集部

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キベラの暮らしと資本主義への問いが、東京・木場のギャラリーで出会う

エシカル・クリエイティブ・コレクティブ 「SHIFT80」 は、アーティスト・The Mouse Kidとのコラボレーション展覧会 「あなたの価値は、どこからどこへ。」 を、2026年6月17日(水)から6月21日(日)まで、東京・木場のEARTH+GALLERYで開催する。

本展のテーマは、私たちが日々当たり前のように受け入れている 「価値」 そのものだ。何に値段がつき、何が見えないまま消費され、誰の暮らしが価値あるものとして扱われるのか。資本主義を素材として扱うThe Mouse Kidと、ケニア・ナイロビの巨大スラム・キベラの内側から別の価値観を伝えてきたSHIFT80が、それぞれ異なる視点からこの問いに向き合う。

The Mouse Kidは、橋田和明によるアート実践である。市場価格を切り離した金塊、金色に光って弾ける泡、紙幣で覆われた 「見えざる手」 など、資本主義の象徴を作品化し、価値が信じられ、循環し、制度として成り立つ条件そのものに介入してきた。見慣れた経済の仕組みをずらすことで、私たちの認識の前提を問い直す表現である。

一方のSHIFT80は、2013年よりケニア・キベラのコミュニティと関わり続けてきた。共同制作、サステナブルファッション、教育支援、アート活動などを通じて、経済的な物差しだけでは捉えきれない暮らしの豊かさを伝えている。キベラはしばしば 「貧困」 や 「支援」 の文脈で語られてきた場所だが、そこには助け合い、誇り、創造性、関係性を基盤にしたもうひとつの価値の論理が存在する。

今回の展示では、資本主義の内側から価値の成立条件を問いかけるThe Mouse Kidと、資本主義の外縁に置かれながらも豊かな関係性を育むキベラの暮らしを伝えるSHIFT80が交差する。タイトルにある 「あなたの価値は、どこからどこへ。」 という言葉は、鑑賞者自身に向けられた問いでもある。自分が信じている価値観は、どこから来たのか。そして、それはこれからどこへ向かうのか。作品を前にすることで、普段は意識しない価値判断の根っこが揺さぶられるはずだ。

SHIFT80がEARTH+GALLERYで展示を行うのは4年連続となる。これまでも 「世界はひとつ(なのか?)」 、 「I’m still alive みんなは終わりというけれど」 、 「MEET OUR HEROES ~スラムから放つ、希望の光~」 など、キベラの視点から世界の見え方を問い直す展示を重ねてきた。今回の展覧会は、その流れを引き継ぎながら、より直接的に 「価値」 というテーマへ踏み込むものとなる。

会期中には、SHIFT80のポップアップストアも同会場で開催される。アート作品の鑑賞にとどまらず、ファッションやプロダクトを通じて、遠く離れた土地の暮らしや手仕事、創造性に触れられる機会となりそうだ。

また6月19日(金)には、関連イベント 「価値って、どこから来るんだろう。」 も開催される。登壇するのは、ヴァガボンド、ストーリーテラー、コミュニティ・イニシエーターとして世界各地で活動してきたテンギョー・クラ。聞き手はSHIFT80代表の坂田ミギーが務める。市場、国家、コミュニティがそれぞれ決める価値の境界を越えながら、人と人との関係をひらいてきた実践者の言葉は、本展のテーマをより深く考える入口になるだろう。

お金、評価、肩書き、市場価格。現代社会で 「価値」 を測る物差しは数多くある。しかし、その物差しだけでは見えないものがある。本展は、アートを通じてその見えない領域へ目を向けるための小さなきっかけである。

テンギョー ・クラ
ヴァガボンド/ストーリーテラー/コミュニティ・イニシエーター
2001年より世界各地を移動しながら活動する「ヴァガボンド(よそ者)」というライフスタイルを実践。
モンゴル、スリランカ、ノルウェー、ラトビアなどで教師として教育現場に携わった後、インド滞在を契機にストーリーテラーとしての活動を開始。アジア、ヨーロッパ、南米、アフリカを舞台に、人々の暮らしや関係性の中に入り込みながら、写真や文章、対話を通じた物語の創作を続けている。 
2017年以降は、東京都の文化事業「TURN」などを通じて福祉施設や地域コミュニティと協働し、アートを目的化するのではなく、人と人との新しい関係性を生み出すための実践を展開。大阪・西成のアートNPOでの現場づくりを経て、近年はアフリカ南部を中心に、障害のある人々や若者たちとの交流プロジェクト、ソーシャルインクルージョンをテーマとした国際的な活動に取り組んでいる。 
「友情ベース」をキーワードに、制度や肩書き、国籍や障害の有無を越えた「出会いと交流」を日本やヨーロッパの国々、アフリカ南部諸国で作り続けており、2023年には日本とアフリカをつなぐ交流プロジェクト「アフリカンジャンボリー」を展開。
2024年元旦に発生した能登半島地震の被災地でコーヒーを振る舞う「おしゃべりコーヒー」が実施100回を超えるなど、コーヒーを介したコミュニケーションの場を各地で開いている。
今年度の成蹊大学文学部芸術文化行政コース担当アーティストでもある。
企画者・坂田ミギーのコメント
キベラは、資本主義の構造に搾取されつづけているスラムです。経済的な困窮は、事実としてあります。それでも、私がキベラで出会った人々は、豊かな関係性の中に生きていました。助け合い、笑い、誇りを持ち、生きるよろこびと感謝を語り合う。いつも私の方が、彼女たち・彼らから何度も大切なものを受け取っていました。それまで自分の信じていた価値の物差しが、大きく揺らぐ日々ばかりです。今回の展示には、キベラの仲間たちと一緒につくった写真作品が並びます。
The Mouse Kidは、資本主義そのものを素材にして「価値とは何か」を問いかけてきます。アプローチする方向は違っても、問いは重なります。
あなたの価値は、どこから来て、どこへ向かっているのか。一緒に考えてみませんか。EARTH+GALLERYで、お待ちしています。

あなたの価値は、どこからどこへ。
会期:2026年6月17日(水)〜6月21日(日)
時間:14:00〜20:00
最終日:6月21日(日)のみ11:00〜16:00
会場:EARTH+GALLERY
所在地:東京都江東区木場3-18-17
入場料:無料
同時開催:SHIFT80ポップアップストア
共催:EARTH+GALLERY、SHIFT80
協力:84 inc、株式会社こたつ、特定非営利活動法人シフトエイティ

イベント詳細
https://shift80.jp/blogs/news/20260617to21

価値って、どこから来るんだろう。
日時:2026年6月19日(金)18:30〜19:30
会場:EARTH+GALLERY
登壇:テンギョー・クラ
聞き手:坂田ミギー
参加費:無料

申込URL
https://20260619shift80.peatix.com/view


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