石川の陶芸家や漆芸家らの工芸品と出会う新スペースが天王洲に開廊
東京・天王洲は、運河沿いの倉庫街にギャラリーやアートスペースが集まる「水辺とアートの街」として知られてきたエリアである。その一角、寺田倉庫が運営する複合施設「TERRADA ART COMPLEX Ⅱ」の3階に、2026年9月15日(火)、新たなギャラリー「ART KOGEI」が開廊した。運営は一般社団法人天王洲・キャナルサイド活性化協会が担い、後援には日本の美術工芸を世界へ実行委員会が名を連ねる。
会期は2027年1月30日(土)までで、営業時間は13:00〜18:00、休廊日は日曜・月曜・祝日である(10月11日(日)・12日(月)は特別開館、10月6日(火)・13日(火)は休館となる)。
会場では、陶芸の上出惠悟・板屋成美・戸出雅彦・牟田陽日、漆芸の十六代小原治五右衛門・豊海健太・森田志宝、ガラスの寺澤季恵、金工の村上浩堂、染織の石井佑宇馬という、石川県を中心に全国で活動する10名の作家による美術工芸作品が展示・販売される。会期中には数度にわたり作品の入れ替えも予定されており、訪れる時期によって出会える作品が変わる構成になっている。
ART KOGEIが担うのは、単なる展示販売の場にとどまらない役割である。天王洲で一つの作品と出会った来場者が、その器や漆器が生まれた産地へと実際に足を運ぶ——そんな体験の入り口として、この場所は位置づけられている。
2026年秋からは、日本各地の伝統工芸の工房や寺院を巡る2泊3日のプライベートツアー「作品の源を訪ねる旅」が展開される予定である。主な対象は富裕層や訪日外国人観光客で、作品を鑑賞するだけでなく、その背景にある土地の文化や歴史、技術に直接触れることを目的とする。
都心のギャラリーで完結しがちなアート鑑賞を、産地への旅という具体的な行動へつなげる発想は、地方の工芸産地にとっても新たな誘客の入り口になり得る。ツアーの販売開始後は、ART KOGEI内で多言語対応のAIコンシェルジュを活用し、来場者一人ひとりに合わせたツアーの提案やアレンジメントを行っていく予定である。
天王洲・キャナルサイド活性化協会は、天王洲の水辺という希少な都市景観を生かし、大型壁画などのパブリックアートの展開や水辺の利活用を通じた地域活性化に取り組んできた団体である。2024年からは観光地域づくり法人(DMO)としても活動しており、ART KOGEIはその延長線上に位置づけられる取り組みだといえる。
都心で完結しがちな観光を、一つの作品というきっかけを通じて地方の産地へと橋渡しする試みは、伝統工芸の担い手にとっても新しい顧客との接点になり得る。ものづくりの現場に関心があるビジネスパーソンや、旅先に文化的な深みを求める人にとって、ART KOGEIは次の旅の行き先を考えるきっかけになる場所である。
ART KOGEI
期間:2026年9月15日(火)〜2027年1月30日(土)
営業時間:13:00〜18:00
休廊日:日曜・月曜・祝日(10月11日(日)・12日(月)は特別開館、10月6日(火)・13日(火)は休館)
会場:TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 305
主催:一般社団法人天王洲・キャナルサイド活性化協会
後援:日本の美術工芸を世界へ実行委員会
運営:寺田倉庫株式会社
公式サイト
https://warehouseofart.org/event_post/art-kogei