台湾の空の玄関口・桃園市が、初めて『デザイン展』の舞台に立った理由
台湾の空の玄関口として知られる桃園市が、いま『デザインの街』として表情を変えている。台湾桃園国際空港を擁し、多くの旅行者にとって『到着してすぐ次の目的地へ移動する場所』だった桃園市が、2026年9月24日(木)、『台湾デザイン展』の開催地に初めて選ばれたのだ。
「台湾デザイン展」は、公募で選ばれた地方都市で毎年開催される大規模なデザイン展示イベントで、地域の産業イノベーションと都市文化の形成を促す狙いを持つ。2026年のテーマは『桃園流 TAOYUAN in FLOW』で、会期は10月11日(日)までの18日間。700名を超えるデザイナーと1,600社以上の企業が参加する。
さらに16カ国から約50組の国際デザインチームが集まり、過去最大規模の国際交流になるという点も今回の特徴だ。メインビジュアルはクリエイティブ集団・明道工作室(Akibo Works)の李明道と、優仕創意(StudioPros)の李宜軒が共同制作した。桃園の名産品である拉拉山の桃と飛行機をモチーフにしたオリジナルキャラクター『Flowmomo』も会場各所に登場し、空港都市としての桃園らしさを随所で表現している。
製造業からサステナブル、文化の多様性まで。16のテーマ展示が描く桃園の素顔
会場は大きく2つのメインエリアに分かれる。青埔エリアでは、桃園メッセ(桃園會展中心)と桃園市立図書館のスマートテクノロジー分館を中心に14の大テーマ展示を開催する。グローバルサプライチェーンのハブとしての役割を担う桃園市の製造業について、4大システムと7つの産業を網羅して紹介する展示『智造流ーー24HR 運轉全世界』が用意されている。さらに、循環型都市をテーマにした『永續流ーー桃〇計畫-未來循環園』など、産業デザインから都市ガバナンス、サステナブルまで幅広い切り口で桃園の『つくる力』を見せる。
もう一つの中壢エリアでは、中原文創園区を舞台に2つの大テーマ展示を開催する。閩南、客家、台湾原住民族、眷村、新住民といった多様なエスニックグループの文化や、若者世代のデザイン創作を紹介する『文化流ーー匯流城市・文化共生 多元族群衣裝華漾』などの展示を通じて、桃園という土地が持つ文化の多層性を浮かび上がらせる。
製造業の実力と、文化の多様性という一見離れた2つのテーマを同じ会期の中で見せる構成自体が、都市のブランディングをデザインで引き受けるという今回の展覧会らしい編集といえる。
建築家・山本理顕も関わる美術館エリアと、22の関連イベントで桃園を歩く
会場は青埔・中壢の2大エリアだけでなく、周辺の5カ所のサテライト会場にも広がる。建設中の桃園市立美術館は、プリツカー賞受賞建築家である山本理顕と台湾の石昭永建築師事務所が共同で設計を手がけたことで知られ、その屋外エリアも会場の一つだ。桃園児童美術館、橫山書法芸術館、Pyasanタイヤル文化館、大溪木芸生態博物館などのサテライト会場では、1つのプロジェクションマッピングと4つの展示が行われており、桃園児童美術館では展示『一樣不一樣』が公開されている。
会期中は講座やARを使ったリアル体験ゲーム、音楽イベント、アートパフォーマンスなど22の関連イベントも予定されており、青埔・中壢の両メインエリアには地元グルメを楽しめる食堂やマーケットも登場する。会期は台湾の中秋節・教師の日の連休(9月25日〜28日)と国慶節の連休(10月9日〜11日)という2つの大型連休をまたいでおり、地元の人々にとっても訪れやすい時期に設計されている。
『空港の街』という肩書きだけでは見えてこなかった、ものづくりの力と文化の多様性を体感できる機会として、桃園市は10月11日までデザイン一色の時間を過ごしている。台湾旅行を計画している人は、空港からの乗り継ぎのついでに立ち寄れる距離感も含めて、公式サイトで会場情報を確認してみてほしい。
台湾デザイン展2026「桃園流 TAOYUAN in FLOW」
会期:2026年9月24日(木)〜10月11日(日)(18日間)
展示時間:月〜木10:00〜18:00、金土日祝10:00〜20:00(最終日は10:00〜18:00)
会場:青埔エリア(桃園メッセ、桃園市立図書館スマートテクノロジー分館)、中壢エリア(中原文創園区)ほか5カ所のサテライト会場
主催:経済部、桃園市政府
公式サイト
https://www.designexpo.org.tw/designexpo/