EVENT | 2024/01/24

科学・産業技術の発展で可能になったアートたち。千葉県誕生150周年事業の一環で『いちかわ芸術祭」が開催中

文:FINDERS編集部

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千葉工業大学によるロボットサッカーのデモンストレーションなども登場

千葉県誕生150周年記念事業の一環として『いちかわ芸術祭』が3月10日まで市川市にある千葉県立現代産業科学館で開催されている。

千葉県は2023年で設置から150周年を迎えた。その記念として千葉県ならではの多様な文化資源や魅力を発信し、千葉のブランド価値の創出・向上や地域活性化につなげるため、県全域でさまざまな取り組みが行われる。

取り組みのひとつとして、自然、文化資源、豊かな千葉を舞台に、百年後を創っていく共創の場となる「百年後芸術祭」が内房総地域を中心に開催される。

その一環として行われる本展は、「近現代産業とアート」をテーマにアーティスト・研究者を中心とした13組の作品が展示される。

展示作品の一部からいくつか紹介する。インタラクティブメディア研究者・アーティストの筧康明が主宰する東京大学大学院の研究グループのメンバーによるユニット「Kuan-Ju Wu+開元宏樹+筧康明」による『Signs of Water』では、生命や自然に不可欠な素材である水を用い、コンピュータ制御と液体のマテリアリティ(素材性)の結合を試みるインスタレーションを展示。プログラムされた超音波振動により、水面にピクセル状のパターンを生み出す。

美術家の小阪淳は、鑑賞者参加型の大型映像空間展示『f(p)』で参加。鑑賞者が画面前に備え付けられたつまみを回すことで、プログラム内の関数の数字が変化。描画されるビジュアル作品の形が変化していくというものだ。数学的に形作られた作品であり、鑑賞者も数学的にしか関与できないにも関わらず、まるでそれ以上の意思や意図を持ったかのような映像が生み出される。

展示のほかにも、秋廣誠による「水素で水中に絵をかこう」、宮原はなによる「カラフル切り絵でロボットを描こう!」といったワークショップや、、東北大学Smart Robots Design Lab.の車椅子ロボットダンスとパフォーマンスカンパニー「ニブロール」の共演による「車椅子ロボットダンス公演」、箏奏者の木村麻耶と千葉商科大学政策情報学部学生制作の映像によるコンサート「箏と写〈生々流転〉」、千葉工業大学 CIT Brains によるロボットサッカーのデモンストレーションといったプログラムも用意されている。


『いちかわ芸術祭』

期間:2024年1月16日(火)~3月10日⁠(日)
会場:千葉県立現代産業科学館
料金:一般 300 円 高・大学生 150 円