CULTURE | 2024/11/05

喜多見のカレーの名店
「beet eat」 がハラカドで表現するジビエと
食を考えるコミュニケーション

連載:東急プラザ原宿「ハラカド」で原宿のカルチャーを紐解くインタビュー企画
「ハラカドノカドデ」

聞き手・文:藤田琢己(J-WAVEナビゲーター) 編集:カトウワタル(FINDERS編集部)

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世田谷区喜多見にある6席のジビエとカレーの名店が原宿で目指す食のコミュニケーション表現

原宿の中心にある東急プラザ「ハラカド」に集まる様々な方に、FMラジオ局 J-WAVEでナビゲーターを務める藤田琢己がインタビューするFINDERSの連載企画「ハラカドノカドデ」。

第10回目に登場いただくのはフードエリアの一角にある、カレーとナチュラルワインが楽しめるbeet eatの竹林さんです。

インタビューの様子は、PODCAST 番組でも公開されているので、合わせて楽しんでいただきたい。

-- ハラカド6階にあるbeet eat 竹林さんにお話を伺います。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

-- カレー好きな方にはご存知の方も多いと思いますが、世田谷区喜多見にあるお店がハラカドに入る!ということで、話題になっているのが私の耳に入っております。竹林さんにそのルーツきた思いなど伺っていきます。単刀直入に伺ってしまいますが、なぜハラカドに入ったのですか。

もうハラカドが開業する何年前でしょうね、コロナもあったのでちょっと予定からはずれたんですけど、2年ほど前かな、東急さんからお話しいただきました。

内容よりも、原宿のこの場所ですって聞いただけで、すごく思い入れがあったというか、10代の頃過ごした街という思い出があったので、時間経ったけれどここで何か表現できるということでご一緒にできたらいいなという思いがあって、具体的には何をやるっていうのを決めずに「行きます!」って、もう単純に決めましたね。

「取れたら出すけど取れなかったら出さない。」 続けてきたスタイルをそのままハラカドへ

自分の体質と食を考えた結果ジビエを食すことにたどり着いたと語る竹林さん

-- beet eatといえばジビエ、というイメージを持たれる方が圧倒的かなと思っています。ジビエのカレーが食べられるのかな。ジビエ料理食べられるのかな?(という期待があるかと)でも、それをそのまま出そうってわけではなかったんですよね。

はい。世田谷区喜多見のお店は6席だけの個人店で、(ジビエも)取れた分だけ、野生の動物なので、野生の動物を取り扱うということを素直に表現したかったんです。それは「取れたら出すけど取れなかったら出さないですよ」っていう自然に任せるしかない、ということを体感していただきたかったんです。

いつでも食べられるものじゃなくて、そうじゃないもの、付加価値をつけるのではなく、それを表現することで、このスタイルに触れた方が、それぞれ思うことがあったり、そういう体感を今まで表現してきたんですけど、原宿という場所、このハラカドという場所でどうするの?って考えて、例えばもっと多くのお客様に提供できるものを、とかいろいろ考えたんですけど、結局そのまま行こうと思いまして。ジビエカレーって謳っているんですけど、なかったら出しません。

-- なるほど

はい。取れる美味しいものを、取れたら共有する。という形は(喜多見のお店と)同じくやっています。だからご理解いただけないこともあるんですけど。でも「ジビエ」っていうものはそういうものだと思って10年間ずっと表現し続けてきたので、ここでもやってみてリアクションを見たいなっていうのはすごくありました。

本来こういった大きい箱(場所)だと、もっと安定供給というか、そういうものを求められると思うんですけど。お店側のランニングとかもあるので、考えなければいけない部分かもしれないんですけど、表現としては違うんじゃないかなと思って、やっぱり喜多見のお店でもそうなんですけど、獲物を取るところから自分が携わるっていう部分から、ストレートに表現したいという思いがあって。なんだろう、常にあるとか、いつも同じ味だとかが、本来はみんな努力のもとにあるっていうことをやっぱり体感できるのがジビエの表現かなと思っていて、あえてやってみようって思いました。

「クマのカレー」 のレシピをレギュラーメニューにアレンジ

-- では一方で普段我々が行って食べることができるカレー、こちらのご紹介もいただきたいです。私、このインタビューの前に今日食べさせていただいて、もうすでに何度か行かせていただいているんですけど。

はい。レギュラーのメニューもカレーが中心なんですけど、スタンダードなチキンカレーと、一番人気の神戸牛とポークの挽肉を合わせたキーマカレー、エビのカレーの3種類を常にご用意しています。

あとはスポットで日替わりのカレーがあるんですけど、その3種類がいつもスタンダードで置いてあります。神戸牛のカレーは神戸牛の希少種で但馬牛っていう種類をつかっています。入手するのもすごく難しいんですけど、なぜそれにしたかというと、喜多見のお店で作っていたクマのカレーのレシピを応用したかったんです。

クマは融点が動物の中ではすごく低いんですね。脂の融点が。で、家畜で市販されいてるお肉の中ではそれに近いものって存在しないんですよ。

-- なるほど

それで悩んでいたところ、クマは大量に提供することができないので、それに近いものは何かないかなと思っていたときに但馬牛が牛の中では融点が低い、という特徴があるのを聞いて、やっぱりちょっと触ってみて、近いというわけではないんですけど、ニュアンス的に面白いなと思って、それがレギュラーメニューで1個入ってるんですね。

-- あの独特の甘みというか、トロっとした感触が、なんかこうお話しを聞いて、そういうことだったのかなっていう感覚です。 

そうなんです、こういう流れからやりましたっていう話がないと、ちょっと驚かれちゃう方もいらっしゃるんですけど、そういった経緯であのメニューは作ってます。

クマのカレーのレシピを応用した「神戸牛のカレー」

-- エビの方はちょっとスパイシーで、エビの奥行きのある旨みもしっかり入っていました。それぞれにバランスも違うカレーですよね。

そうですね。それぞれの特徴を出したいなと思って。方向性も変えて、グレーヴィーもそれぞれオリジナルで作っているのでだいぶ味は違いますね。

-- それこそ普段ジビエとして出されているものも、お肉をどう味付けをするかみたいな感覚なんですか。

普段からそうなんですよ。ジビエって、個体によって味が違うんです。

--ということは「この種類の動物は大体こういう味だ」というより…

そう、「この子は(どういう味か)どうしたらいいのか」という…

-- ご自身も猟をされるんですよね。

そうなんです。

-- 狩猟免許を持っていらっしゃる。

そうですね。

--たまに東北の方の話は聞いたり、そういう文化があるって聞きますけど、どういうところに行かれるんですか。

狩猟免許を取れば誰でも行けます。誰でも行けますっていうか…

以下、ポッドキャスト本編に続く

竹林さんがジビエに行き着いたのは自分自身の食と向き合わざるを得なかった出来事から…
https://arrtsidecast.podcast.sonicbowl.cloud/podcast/harakadonokadode/episode/beeteat/


beet eat
渋谷区神宮前6-31-21 東急プラザ原宿「ハラカド」 6F
営業時間:11:00-23:00(商業施設の営業時間に準じる)
TEL:03-6433-5250
公式サイト: https://harakado.tokyu-plaza.com/shop/detail.html?_id=22478

藤田琢己
公式Webサイト
https://takumifujita.net/

ハラカドに誕生したラジオ局 J-WAVEによる本格的な音声収録スタジオ J-WAVE
ARRTSIDE CAST
https://www.j-wave.co.jp/arrtsidecast/