SNSを開くたび、誰かの「成功」が目に飛び込んでくる。「産後マイナス15kg」「週2回のジム通い」「完璧な高タンパク飯」—そんなキラキラした正解の数々。
スクロールするたびにため息が漏れる。自分はなぜこんなにうまくいかないのか。何かが足りないのか。こうした「比較の鎖」に心が蝕まれていく—そんな現代人の悩みを根本から問い直す一冊が、4月30日に発売された。
ダイエットアカデミー代表で、累計27万部のベストセラー作家・上野啓樹氏による『何を試してもダメだったズボラ女子ですが、バグった人生をAI執事に修正されています。』だ。タイトルだけ見ると、単なるダイエット本に思えるかもしれない。だが、これは単なる減量法ではなく、現代人が抱える心の不調を「再起動」させる自己啓発小説なのだ。
400万円を費やした「人体実験」が教えてくれたこと
上野氏自身、かつて公務員時代に激太りの経験がある。その後、人生最後のダイエットを決意した彼は、サプリメントやプロテインを17種類以上飲み、400万円を超える私財を投じて、世にあるダイエット法を片っ端から試す「人体実験」を繰り返した。
ジムに通い、栄養管理を徹底し、世の常識とされるあらゆる方法を実践した。だが、どれほどお金をかけても、世の常識を追いかけても、本当の意味で心身が整うことはなかったという。
3年間に及ぶ試行錯誤の末に、上野氏が辿り着いた真理は意外にもシンプルだった。
「何を加えるか」ではなく「何をバグとして捨てるか」——これだ。
つまり、足りないものを補うのではなく、心と体を蝕んでいる不要なものを手放すこと。それが本当の意味での自分改革につながるというメッセージである。
「やめる」 ことから始まる人生の再構築
本書の章立てを見ると、その思想がよく表れている。
「スマホが割れた日、人生にもヒビが入った」「ベッドでスマホ禁止ナイト」「朝イチの一杯と、自分を大事にする一言」「ランチ革命」—これらの章タイトルからは、小さな習慣の変化を積み重ねていく過程が伝わってくる。
さらに興味深いのは「停滞期」「プロジェクト炎上と夜食リバイバル」「インフルエンサーじゃなくて、私を見てよ」といった、現代人が直面するリアルな悩みに向き合う章が並んでいる点だ。これは、単なる理想像の追求ではなく、人間らしい揺らぎや失敗も含めた全体的な人生設計を意識させてくれる。
「比較の鎖」から解放されるかどうかの二択、という章もある。SNSで他者と自分を比較し続ける罠から抜け出すことの大切さ—これはビジネスパーソンにとっても、起業家にとっても、極めて重要なテーマではないか。
上野氏の実績は、その理論を支える強い根拠となっている。
運動なし、カロリー計算なし、リバウンドなしのプログラムで、卒業生は3,000人を超える。TV や雑誌のビフォーアフター企画を通じて50人以上の成功事例を世に送り出し、ミス・ユニバース・ジャパンの指導を歴任して2年連続日本代表を輩出。女優やモデルの指導もしている。
これらの実績は、単に「ダイエットに成功した」というレベルの話ではない。人々が心身のバランスを取り戻し、自分らしい人生を取り戻すことができたということを意味している。
本書の帯には「涙と希望の自己啓発小説」と銘打たれている。
仕事で成果を出そうとしても、完璧さを求めるあまりに心がすり減る。SNSで見かける他人の成功に一喜一憂する。生活習慣が乱れても、それを「自己管理」という正解に無理矢理はめ込もうとする——こうした現代人の悩みは、決してダイエットに限った話ではない。
実は、ビジネスの現場でも、起業の道でも、同じバグが繰り返されているのではないだろうか。「何をやるべきか」という正解を追い求めるあまりに、本来大切なものを見失ってしまう。そんな人生のバグを修正するヒントが、この一冊には詰まっているはずだ。
人生を「再起動」させるきっかけを、この本の中に見つけてみてはいかがだろうか。
何を試してもダメだったズボラ女子ですが、バグった人生をAI執事に修正されています。
著者:上野啓樹
発売日:2026年4月30日(木)
発行:游藝舎
定価:1,760円(税込)
頁数:164ページ
ISBN:978-491136240-2
游藝舎
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