CULTURE | 2022/06/02

照明、カラグレ、職場環境、妊娠出産、40代以降のキャリア…「映像制作」を多角的に考える「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2022」が渋谷ヒカリエで開催

文:赤井大祐(FINDERS編集部)
3年ぶりにリアルイベントでついに開催
映像制作にまつわるさまざまな知識やTip...

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文:赤井大祐(FINDERS編集部)

3年ぶりにリアルイベントでついに開催

映像制作にまつわるさまざまな知識やTipsを紹介するサービスを展開するVook社によるカンファレンス「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2022」が6月10日(金)、6月11日(土)の2日間にわたって、渋谷ヒカリエ ホールA・B 、8/COURTにて開催される。

Vook社は、映像制作の知識やTips、ウェビナーを提供するウェブサービス「Vook」の他に、カリキュラムを通して映像制作の勉強を行う「Vook School」、映像人材に特化した人材紹介サービス「Vookキャリア」など、映像制作にまつわる学習からキャリア支援までを総合的に行っている。

2019年、2020年に続き(2021年は非開催)、今年で3回目を迎える同カンファレンス。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響によってオンラインでの開催となったため、リアルイベントとしての開催は3年ぶり、2度目となる。

技術、キャリア、心構え……さまざまな視点で「映像制作」を考える

VIDEOGRAPHERS TOKYO の魅力は「映像制作」という分野に特化しているため、多面的なプログラムが組まれている点にあるだろう。

「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2022」より

例えば、1日目15:10からの「文字中心のあたらしいセカイ 映像のパワーをあげる無敵のタイポグラフィ」では文字デザイナーのZUMA氏と、モーションデザイナーの白戸裕也氏が登壇。近年増加傾向にあるリリックビデオ(歌詞の表示を目的とするタイプのミュージックビデオ)など、映像の中に存在する「文字」をどのようにデザインし、動かすのかといったことに焦点をあてた、エッジの効いたプログラムが行われる。

あるいは2日目の15:20から行われる「Woman’s Creative Life 映像制作者が出産を考える」ではCMやMV制作にアートディレクターとして携わる鈴木友唯氏と、過去にエディターを6年間経験したのち、現在はディレクターとしてテレビ番組などの制作を手掛ける春木美保氏が登壇。2人の女性が、多忙な映像業界において結婚や妊娠、出産を経験することのリアルについて語りあう。

この他に、映像制作者の将来を考える「映像制作者って、40歳、50歳になったらどうなるの?」、ドキュメンタリーという骨太なジャンルに挑む「『ドキュメンタリー監督って、なんだろう?』 カメラを持つ前に決まる、クオリティの裏側」、映像制作の現場を考えるうえで避けては通れない「映像の「就業環境」を考える。海外から見た日本。」などさまざまな角度から映像制作、そしてそこで働く人にスポットを当てていく。

ワークショップ形式で技術を学ぶ「実演で学ぶ照明術 今いる場所を“舞台”に変えるライティングのヒント」「bird and insect のカラーグレーディング」といったプログラムも充実している。

「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2022」より。登壇者は合わせて60人を超える

チケット料金は一日3000円、両日合わせて6000円だが、アンケートに回答することで無料入場可能。また参加対象は「映像関係者」や「映像作家」の他に、「ビデオグラファー志望の方」「動画に興味ある方」とも明示されている。いわゆる業界イベント的な体裁はありつつも、門戸は広く開かれている点にも注目したい。

「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2022」より

展示ブースではニコンやキヤノン、ソニー、シグマといった主要カメラ、レンズメーカーをはじめ、近年人気を集める「Pocket Cinema Camera」のブラックマジックデザイン、業務用モニターメーカーのEIZO、サムスンや日本シーゲイトといったストレージメーカー、その他制作に必要なPC、ジンバル、ストック音源、マルチレコーダー、スイッチャーなどを提供する、各種メーカーが一同に介しそれぞれのブースを出展することとなっている。

現場の声を聞きたい人。技術や心構えを学びたい人。自身のキャリアを考えたい人。新しい機材やサービスに触れたい人。そして映像業界に興味がある人。誰もがきっかけを得るカンファレンスになるだろう。

VIDEOGRAPHERS TOKYO 2019 AFTER MOVIE