EVENT | 2021/11/19

世界のスタートアップ10万社の中からTOP100に選出。声や表情をAIが読み取り、オンラインコミュニケーションの質を向上させる「I’mbesideyou」

 文:赤井大祐(FINDERS編集部)
「Zoomだとやっぱり伝わらないよね。来週から対面で会議しようか。つ...

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 文:赤井大祐(FINDERS編集部)

「Zoomだとやっぱり伝わらないよね。来週から対面で会議しようか。ついでにリモートワークもそろそろ終わりにしてもいいかもね」。

今、上司に言われて一番うんざりする言葉といえば、こんな感じだろうか。

しかし、実際のところこの上司の言っていることも完全に間違いではないのかもしれない。人間のコミュニケーションのおよそ93%は、視覚や聴覚によるノンバーバルコミュニケーションが占めることはこれまでも多々言われてきたし、『ヒトの目、驚異の進化』(ハヤカワ書房 マーク・チャンギ―ジ―著)によれば、人間の脳のおよそ半分は視覚による知覚のための計算に特化しているというではないか。

つまり、コミュニケーションのほとんどが言葉以外の情報によって成立しており、結局のところ人間もそれが得意なのだろう。

毎週だいたい1社ずつ、気になるスタートアップ企業や、そのサービスをザクッと紹介していく「スタートアップ・ディグ」。第8回は、それでもなお「オフラインよりもオンラインの方がわかりあえるんじゃないか」とオンラインコミュニケーションの可能性を探る、動画解析AIサービス『I'mbesideyou』(アイムビサイドユー)を紹介する。

声や表情を「客観的に」統合解析

I'mbesideyouは、動画内の人の表情・音声・顔の向き・視線などをAIによって統合解析するマルチモーダル技術を用いて、Zoomなどのオンラインコミュニケーションの様子を解析。コミュニケーションの質を判定し、改善に用いることができるサービスだ。

I’mbesideyouウェブページより

例えば、同サービスを事業に利用するオンライン家庭教師サービス「BANZAN」では授業風景の解析に用いている。生徒があまり喋っていない、先生がNGワードを言ってしまっている、生徒の表情が悪化(好転)している、などを各授業コマごとに解析し、毎日レポーティングを行っているという。

こうして集めた事例などは、良いものであれば全体にシェアし、悪い事例は個別に注意喚起するなどし、継続的なコミュニケーションの改善を図ることに利用されているという。また先生ごとの強みや、生徒の発言量を定量的に見る、といったこともできるという。

もちろん家庭教師サービスでの活用は一例だ。他にも、オンラインでの営業において、受注、失注などの傾向をAIが分析・共有することで、より効率の良い営業が可能になったり、社員との面談を解析することで、組織内のコミュニケーションの質を向上させたり、メンタルヘルスの予防にもつなげることができるということだ。

I’mbesideyouウェブページより

そしてなにより重要なのは、AIによって客観性が保たれている点だろう。授業、面談、営業など、こういった内容については当事者による評価、ないし情報のシェアは日常的に行われてきた。しかし情報をシェアする側にも、受け取る側にもバイアスは必ず入り込んでしまうもの。客観的なデータによってバイアスという変数を取り除くことで、より緻密な業務改善、コミュニケーションの質の向上を行う。

インド最高峰の知能とともに世界へ

I’mbesideyouは元NTTDATAの社員であった神谷渉三氏、安藤高太朗氏、能勢康宏氏らによって2020年6月に創業。つまり「コロナ以降」の会社であり、同社はコロナ禍がもたらしたZoomをはじめとするオンラインコミュニケーションサービスの爆発的な普及に応える形で生まれたのだ。

日本で本格的に新型コロナウイルスの影響が出始めたのが2020年2月頃と考えると、ある程度の準備があったことは予想されるといえ、驚くべきスピード感だ。

そして、世界200ヶ国以上から10万社のエントリーがある、「Entrepreneur World Cup」にてGlobal TOP100への選出や、経産省のスタートアップ支援プログラム「J-Startup」への選定など、数多くのスタートアップ系プログラムで高い評価を獲得している。

また、今年9月にはインドの現地法「I’mbesideyou India」を設立。世界最難関とも名高いインド工科大学から46名をインターン生として迎え入れ、さらにその中から8名を本採用。インドのトップ人材と共に、今や世界的なIT大国ともなったインド市場でのビジネスを展開していくということだ。