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文:窪田みちる
マックフルーリーが提供できない状況に
世界中で愛されるファストフードチェーン、マクドナルド。ハンバーガーやサイドメニューも美味しいが、定番のひんやりスイーツ「マックフルーリー」も不動の人気を誇っている。
ところが、アメリカでは、マックフルーリーを提供できない事態が続いているようだ。理由はアイスクリームマシンがよく故障するため。その頻発具合は、全米の故障したアイスクリームマシンを追跡するオンラインツールが開発されるほど。
フランチャイズオーナーは長年、このアイスクリームマシンに不満を持っていた。なぜなら構造が複雑で壊れた時の修理が大変だからだ。このアイスクリームマシンはバクテリアを死滅させるため、毎晩4時間にも及ぶ自動メンテナンスが必要であり、しかもメンテナンスに失敗すると、修理技術者が再稼働させるまで停止させなければならない。そのため、度々マックフルーリーを提供できない状況に陥っていたのだ。
「修理する権利」を守るためか
そんな中、アメリカの連邦取引委員会(FTC)は今年の夏、フランチャイズオーナーに書面を送り、このトラブルに関する情報を収集していると『The Wall Street Journal』が報じた。
今年7月、バイデン大統領は大統領令を発動。FTCは、消費者が自ら選んだ方法で製品を修理できる権利、いわゆる「修理する権利」の制限に対する法的処理を強化することを全会一致で可決した。今回の調査は、この「修理する権利」の動きに関連したものであり、フランチャイズオーナーによる修理を妨害していないか調べられていると考えられている。
一方、マクドナルド側はFTCの調査対象となっていると信じるに足る根拠はないと主張。さらに「当社にとって、食品の品質と安全性に関する高い基準を満たすこと以上に重要なことはありません。だからこそ厳選したパートナーと共に、安全なソリューションを確実に提供できるよう協力しています」との声明を発表した。マクドナルド側もこの不満を解消するため、従業員のトレーニングやアイスクリームマシンの定期的なメンテナンスチェックなど、解決策を打ち出しているとのこと。
全米のマックフルーリーファンのためにも、一刻も早くこの問題が解決することを願う。