文:FINDERS編集部
”世界にも類を見ない”とコマ撮りの手法が評価
グラフィックデザイナー岡崎智弘氏が第25回亀倉雄策賞を受賞したことを記念した個展『STUDY』が 6月28日まで新橋・クリエイションギャラリーG8で開催されている。
亀倉雄策賞は公益社団法人日本グラフィックデザイン協会が発刊する年鑑『Graphic Design in Japan』に掲載される作品から毎年、最も優れた作品とその制作者に対して贈られる。
第25回となる今回は、亀倉雄策賞初の2作品同時受賞。岡崎智弘氏が手がけたNHK Eテレの番組コンテンツの映像、「デザインあneo あのテーマ」と、日本デザインセンター・三澤遥氏による幼稚園内のサイン計画「⽟造幼稚園」が選出された。
この受賞を記念して、6月に岡崎氏、7月に三澤氏による個展が開催される。
岡崎氏は広告代理店、デザイン事務所勤務を経て、2011年9月よりデザインスタジオSWIMMINGを設立。グラフィックデザインを基軸に、印刷物、映像、展覧会など視覚伝達を中心に「文化」と「経済」の両輪でデザインの活動を行っている。

放送局の番組コンテンツ映像「デザインあneo あのテーマ」

放送局の番組コンテンツ映像「デザインあneo あのテーマ」
受賞した作品は、「あ」の一文字と白い紙のみを素材にコマ撮りで撮影されたNHK Eテレの番組『デザインあneo』内の映像だ。選考委員からは「コマ撮りアニメーションというありふれた手法を深く追求し、他の追随を許さない領域に達して世界にも類を見ない」「イメージがどのような視覚体験として伝わるかというグラフィックデザインの原点を感じさせる」と評価された。
本作について岡崎氏は、「この世界を自分の目で見たり、何かを自分の手でつくろうとする時の、その手前にある気づきや心の有り様をテーマに、”あ”と”丸い穴”という要素のみで、視覚的な実験を積み重ねて構成したコマ撮り手法による映像です。映像が映るテレビが置かれた部屋に生まれる空気感や、テレビの前でじっと観察する子供の姿、そのような場面と時間の中にある豊かさとは何か? と想像しながら取り組んだ仕事です」とコメントしている。
また6月14日には岡崎氏とグラフィックデザイナー辻川幸一郎氏、ウェブデザイナー中村勇吾氏、アーティスト渡邊敬之氏が登壇するトークイベントも開催される。事前申し込みが必要で、併せてオンラインでも配信予定。
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『岡崎智弘 個展「STUDY」』
期間:2023年6月6日(火)~ 6月28日(水)
会場:クリエイションギャラリーG8
料金:入場無料