文:FINDERS編集部
仕事をしながら保護猫支援に
2010年代から続く働き方改革、そして新型コロナの感染拡大に伴うテレワークの一定の普及により、日本でも少しずつ「もう少し働き方を自由に設計してもいいんじゃないか」という機運が高まりつつある。最近では「ペットと働く」というスタイルも広がっているようだ。
猫と一緒に仕事が出来るコワーキングスペース「NE COWORK.(ネコワーク)」が、11月1日、渋谷区神山町にプレオープンした。
「NE COWORK.」は、保護猫が常駐するコワーキングスペースとなっており、時に癒やされながら、時に邪魔されながら仕事に取り組める。
単に保護猫を利用した施設、というだけでなく、猫たちの支援にも力を入れている。施設の運営それ自体が保護活動の一環となっており、利用者は里親として譲渡を希望することもできる。保護活動に関心があるが、どのように関わりを持ったらいいのかわからない、という人にとっても絶好の入口となるだろう。
ワークスペースは、フリーエリア、半個室のフォーカスエリア、リラックスエリアの3つに分かれており、リモート会議をしたいときや集中したいとき、猫とリラックスしながら仕事をしたいときなど、さまざまなシーンに合わせることが可能だ。
現在はハッピーとラッキーの2匹が常駐しており、550円/回から利用できる。なお正式オープン後は猫の過ごしやすい環境を維持するため、月額会員のみの利用となる。22日からはCAMPFIREにて施設の運営資金・保護猫の医療費などを調達するためのクラウドファンディングも開始する。
日本企業も続々と取り入れる「ペットとの同伴出勤」
動物たちと一緒に働く文化は、AmazonやGoogleをはじめとする企業では以前から見られるものだ。特にAmazonはこれを自社における重要な文化に位置づけていることで知られており、同社のシアトル本社では、日々7000匹もの犬が社員と共に出勤しているというから驚きだ。さらにオフィス内にはドッグランをはじめとするさまざまな犬向け設備が充実しているという。
また今年7月には、富士通が自社オフィスの「Fujitsu Uvance Kawasaki Tower」内に犬と一緒に勤務できる「Dog Office」を設け話題に。同社はオフィス出勤・テレワークの効果的な併用を目指す中で「社員が出社したくなるオフィスならではの体験を提供する施策」の一つとして同スペースを設置したとのこと。社員からは「犬と一緒にミーティングをしたら、すごく和んだ」「上司が愛犬をかわいがる姿が新鮮で、新たな魅力を見つけた気がする」などの反響があり、利用者アンケートではほぼ全員が「良い影響があった」と回答しているという。
他にも、さまざまなライフスタイルブランドを手がけ、愛犬向けギフトボックスサービス「Qualum」も展開する東京・恵比寿のfranky社ではオフィスの中を犬たちが自由に駆け回り、その様子をSNSで発信。2万人近い「社員犬」ファンを獲得するとともに、会社の認知を広げている。
「ペットと一緒に働くことが直接的な生産性アップに結びつくのか」という点に関して、どんな会社のどんな人もそうだとは言えないだろうが、社員のモチベーションアップやコミュニケーション促進、あるいは採用へのイメージアップなど、目には見えにくいが重要な効果をもたらしてくれるようだ。もちろん生き物である以上相応の配慮が必要となるが、それを踏まえてもひとつの選択肢として検討に値するのかもしれない。
NE COWORK.
・営業時間:10:00~18:00
・定休日:土日祝
・所在地:〒150-0047 東京都渋谷区神山町5-2 神山町並木ビル 9F
・利用料金/ 最低価格 550円/回
※プレオープン時