文:山田山太
古くから人間と生活を共にしてきた犬や猫。ペットとして圧倒的な人気を誇るが、一方で世話をしきれずに捨てられてしまうケースも非常に多い。
そんな中、多くの悲しみを乗り越えた一匹の子犬が注目を集めている。
申し出た飼い主が当日キャンセル
コロンビア・シパキラで、捨てられていた生後3カ月の子犬は、動物保護団体「Fundacion Rescatame」によって保護された。この子犬は「ヴィセンテ」と名付けられ、新たな飼い主との出会いを待っていた。
幸いなことに、ヴィセンテのことを引き取りたいと申し出る男性がすぐに現れた。同団体の提示する里親としての条件も無事にクリアし、男性は9月9日、ヴィセンテを引き取りにくる予定だった。受け渡し当日、ヴィセンテは新しい家族との出会いに備え、お風呂に入れてもらい、タキシードの衣装を着て、新たな飼い主を今か今かと待っていた。
しかしその日、その男性が現れることはなかった。『Bored Panda』によると、男性はヴィセントの引き取りを「キャンセルする」とスタッフに電話で伝えたという。
同団体は9月9日、この時のエピソードを、タキシード姿のヴィセンテの写真と共にFacebookに投稿。「私たちの示す里親としての条件が厳しいとよく言われますが、こういうことが起こってしまうのが理由です」「里親になりたい方は、一生を共に過ごす覚悟を持ってください」と、軽率な申し出に対する怒り、そして動物を飼うことの責任を強く訴えた。
ヴィセンテの投稿はFacebook上でたちまち拡散され、2700件以上ものシェアを獲得し、多くの共感のコメントが寄せられた。さらに、ヴィセンテを引き取りたいと申し出が殺到した。