文:神保勇揮
「たかが食事」でも働くモチベーションは変わる
ビルなどの空きスペース所有者とフードトラックの運営者をマッチングするサービス「SHOP STOP」を運営する株式会社Mellowは、各地で相次ぐ新型コロナウイルス感染者数増加に逼迫する医療現場の食のサポートを目的に、医療機関の空きスペースでランチ・夜食を提供するフードトラックの展開プロジェクト「病院キャラバン by SHOP STOP」を加速すべく、導入を希望する医療機関を募集している。
同社は災害、緊急時の社会貢献プロジェクト「フードトラック駆けつけ隊」を組織している。今年5月20日から8月7日までの間は医療従事者支援「フード&シェルタープロジェクト」を展開し、コロナウイルス感染者の受け入れを行う病院をはじめとする12の医療機関へと駆けつけ、合計1万食を無償提供して一旦活動を終了させた。
各地で食事提供を行う中で、医療従事者たちからの
・食堂がコロナ禍で閉まっている、席数減で利用しにくい
・いつも少ない選択肢だったので、メニューを選べることがすごく楽しい
・45分という短い休み時間に制服を着替えて外に食べに行く余裕がない
・忙しいので食べそびれる、簡単なパンで済ます
といった「食」にまつわる不便さ、そして「いつコロナに感染してもおかしくない状況のなか、いつもとは違うあたたかくおいしいご飯が食べられて幸せでした」「フードトラックの方に頑張ってくださいと声をかけていただけて、また頑張ろう!と思えました」といった感謝の声を相次いで耳にし、また出店場所の封鎖や新規営業場所のオープン延期、イベントの中止、店舗の売上減少といった困難に直面していたフードトラック事業者からも好評だったことから、今回の展開を決めたという。
募集対象となる地域は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、京都市、兵庫県、福岡県の8都道府県。専用のGoogleフォームから申し込む。今回からは食事提供が有料となり、1食700円〜1000円程度を見込んでいるとする。全応募に対して誘致の確約はできないかもしれないとしているが、8月13日時点で3箇所での営業がスタートしているという。
「たかが食事」と思う人もいるかもしれないが、高ストレスな環境で食事も味気ないものが続いていくと、心まで落ち込んでしまうものだ。医療従事者、そしてフードトラック事業者を救う意味でも、ぜひ多くの医療機関に導入されてほしいと思う。