EVENT | 2020/08/12

「仕事が上手くいかないのは、方向性が間違っているからだ」が誤りな理由【連載】高須正和の「テクノロジーから見える社会の変化」(6)

早稲田ビジネススクールの講義「深圳の産業集積とハードウェアのマスイノベーション」。紫のシャツを着た中央の女性がゲスト講義...

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方向性の良し悪しはやってみないとわからない

どの方向性が正しいかは、始めてしばらく経ち、結果が出るところまでいかないとわかりません。今後も社会はテクノロジーに寄って変わり続けていくでしょうが、コンピュータやネットワークの仕組みはどの分野でも共通するもので、たとえば流通のAmazonから製造業のAppleに転職しても、必要とされるテクノロジーはかなり共通しています。逆に今誰も注目していないブルーオーシャンな分野で、かつ始めたばかりだと、それが後ほど大きくなるかどうかはまったくわからないのです。

すでに社会で注目されている分野だと、一定のレベルまで行くのに必要なスカラーは大きくなります。

新しくライバルが少ない分野だと少ない実績で注目されることができますが、人気になると(特に商売に結びつくと)水準はどんどん上がり、やがて実力者しか残らなくなります。

また、分野全体の注目が減っても、No.1は残ります。何より、他人に聞いて「なるほど、この分野が儲かるのか!」と納得できた時にはそこはもうレッドオーシャンになっています。例えば今Amazonで「コロナ」で検索するといくらでも関連本は見つかりますが、2年後も同じ話をしている人はほとんどいないでしょう。

プレイヤーの少ないブルーオーシャンの時期に始めて、その後世間の注目を集めるようになると、少ない努力で大きい成果が入ってくるので「おいしい」ですが、プレイヤーの少ない時期に始めるのは「流行り物を追わない」人であることが大前提なので、情報収集のみでそれを狙うのは無理があると考えています。

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