EVENT | 2020/06/17

「大企業社員の複業ベンチャー」がこれから羽ばたく?FINDERS RADIO 第7回 コロナ禍で伸びるベンチャーとは? ゲスト:吉沢康弘(インクルージョン・ジャパン)

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自粛&リモート期間中に生まれた「大企業社員の複業ベンチャー」がこれから羽ばたく?
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自粛&リモート期間中に生まれた「大企業社員の複業ベンチャー」がこれから羽ばたく?

ウェブメディア「FINDERS(ファインダーズ)」創刊編集長の米田智彦がホストを務めるポッドキャスト番組「FINDERS RADIO」。第7回のゲストはベンチャーキャピタルのインクルージョン・ジャパン取締役の吉沢康弘さん。

今回のテーマは「コロナ禍で伸びるベンチャーとは?」です。

※収録は5月25日に行いました

【今回の内容】
・Withコロナの時代に伸びるベンチャーは「世の中の変化の先をやろうとしている」ところ。支援先だと、副業を中心とした社外人材による「オンライン1on1」を提供するエール株式会社。リモートワークで部下・メンバーの面倒を見切れないというところでニーズが高まっており、元ほほ日のCFOだった篠田さんに入ってもらったこともあり、さらに引き合いが増えている

・ほかには3~12歳向けオンライン英会話サービスを提供する株式会社ハグカムなど。毎回のレッスンが20分と、「ちょっとした時間」で英会話が学べる「GLOBAL CROWN」というサービスすごく伸びている。

・インクルージョン・ジャパンは6人体制。そのうち5人が役員で、企業に入って案件を進めてやっている。コピーライターの梅田悟司さんや、「日本人の仕事の49%はAIが代替できる」という研究に携わった、野村総研の寺田知太さんなどの腕利きと一緒にベンチャー育成をやっている。

・物事を熟考するフェーズと、実行に移すフェーズ。これらの仕事のどこをリモート・リアルで切り分けるかはちゃんと議論すべき。本当にコアな方針を決めるような、真剣勝負の場面はオンラインはまだ実現できてない

・「テーマのない雑談」はある程度定期的な飲み会(オンライン含む)や1on1などでもカバーできる。ただ、そこで話した「やるべきこと」をグリグリ進めよう、というフェーズがリモートだと中々難しい

・起業する時にコワーキングスペースを借りて、ミーティングの時だけスペースを借りるのは上手くいかないし、失敗した経験がある。なぜなら起業直後は「朝考えていたことと夕方考えていることが別」ということが当たり前に起きるので、狭い部屋を借りて「何かあったら議論・相談して解決する」というスタイルの方が物事が進む

・緊急事態宣言下の自粛期間中、大企業の中に相当複業を進めている人たちがいた。そういうところから新事業が生まれる可能性がある

・現在起業済みのベンチャーとってには追い風。競合となるような大企業の動きが制限されるし、いま投資を受けるようなベンチャーはテクノロジーが武器であることが多いので、シェアも取りやすい状態

・ただ1つ懸念点があるとすれば、資金調達をベンチャーキャピタルではなく事業会社から考えているベンチャー。ベンチャーキャピタルはどんな時期でも投資額が決まっているが、事業会社からの投資はブレーキがかかる可能性がある

・若い起業家たちの最近の傾向。コロナで暇になった有名ビジネスパーソンに新規アポを取り、オンラインで話を聞いてもらおうという健全な野心を感じる。そして「世の中がこうなりそう」という予測と「自分がビジネスを通じてこうしたい」という欲求が極めて近い

・「10年後に絶対これが当たり前の世の中になっているな」という事業を行うベンチャーを応援するスタイルには変わりない。そして既存の大企業と連合できるベンチャーを支援していきたい。そういうスタンスは大企業も嫌いじゃないし、「一緒に世の中を変えていきましょうよ!」という会社が求められている

・将来M&Aされる可能性も含めて、立ち上げ時点で大企業からスピンオフした人物が入っているとベター。例えば、OLTA株式会社というファクタリング(売掛金請求書の現金化)サービスを手掛ける会社がある。ここは金融系で働いていた面々が起業した会社だが、これまでの業務で支援しきれなかった中小企業を助けたいという思いが根底にあり、既存大企業とも連携しやすい

・ただ、最初は必ずしも志が無くてもいいです!「今の仕事にちょっと物足りないな」ぐらいでもいい。「だったらこんな風にやってみたら?」と示唆するのが我々の仕事なので、気軽な気持ちで相談に来てください!