中国SNS事情
―― 日本の文化、アニメ、ファッション、テレビ、映画、そういったものに対して中国のZ世代はどうですか。
リン:すごく興味があると思いますよ。昔だったら旅行に行くと言ったら東京や北海道、沖縄ですが、今だったらアニメの聖地、『君の名は』や『天気の子』のスポットが人気だったりします。中国のSNSで小紅書(レッドブック)というのがあるんですけど、中国版のInstagramみたいなSNSで、そこでも「日本人女子」というワードがヒットするんです。中国の人たちにとって日本のJKが普段どういった生活をしているのか、コンビニで何を買っているか。そんなことを投稿するだけでたくさん反応があるので、かなり興味を持たれていると思います。しかもレッドブックを使っている世代は大体30代以下。高くても40代ぐらいです。それこそ若い人たちは情報収集の場としても使っています。今の日本の若い世代もInstagramで検索したりしますよね。
―― やはりレッドブックが中国のZ世代に一番使われているアプリですか?
リン:はい。Douyin(中国版tiktok)とレッドブックです。日本のTikTokユーザーってZ世代が多いと思うんですけど、中国のDouyinはZ世代だけじゃなくて年配の方も使っています。私のお父さん今55歳なんですけど、全然Douyin見ていますよ(編注:日本におけるTikTokの利用状況についても、40代男性の割合が最も多いという調査結果が、今年4月に発表されている)。
―― 中国人と日本人はお金に関する考えた方も根本的に違いますよね。
リン:中国人はお金に対するリテラシーがすごく高いです。広東省の深圳は経済が急成長していて香港を抜いたんじゃないかと言われている街ですが、深圳の20、30代女子は集まって何をするかというと、恋愛の話でも子供の話でもなくて、どうやってビジネスを大きくするかという話しかしてないんですね。日本の20、30代の女子会って可愛いとか、この洋服着たいよねとかになると思うんですけど、深圳の女子会は株、不動産、ビジネス、そういう話しかしないんですね。それもすごく面白いんじゃないかと思っています。
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