季節は春から初夏へ。今後、真夏に移行する前には肌寒い梅雨の到来も。こんな時期に、一枚持っていて損はないのが、薄手のサマーニットだ。
今回紹介したいのは、国内で展開されるランバンのセカンドライン「LANVIN en Bleu(ランバン オン ブルー)」の今季春夏コレクションのグラデーションニット。
カジュアル着としてはTシャツやスウェット愛好派も多いと思うが、このサマーニットは、今後、湿度も気温も高くなる季節にふさわしく、天然素材の麻を使用。
ランバン創業当初のエッセンスを含んだ、独自の染色による“ランバン・ブルー”の秀逸なグラデーションはもちろん、さわやかで涼やかな着心地をぜひ体感してみてほしい。
取材・文・構成:庄司真美 写真・スタイリング:駒田達哉
ランバンのエッセンスを取り入れた、国内展開のセカンドライン「LANVIN en Bleu」
「LANVIN(ランバン)」は、1889年、女性デザイナーのジャンヌ・ランバンが、フランス・パリ中心部にあるフォーブル・サントノーレ22番地に創業した「メゾン・ド・ランバン」が前身。
創業したのは、フランス革命からの100周年記念行事として、パリ万国博覧会が行われ、パリのシンボルであるエッフェル塔が竣工した節目の年。国際的にパリが注目を浴びたこの年を皮切りに、ランバンはドレスをはじめ、オリエンタルテイストをいち早く取り入れたレディスウエアを手がけるようになる。
さらに当初から、刺繍を用いた「ピクチャードレス」が高く評価されるほか、“ランバン・ブルー”や“アーモンド・グリーン”、“琥珀色”といった独自の染色による色彩を生み出し、活動的な女性の洗練されたスタイルを確立。やがて一流メゾンとして世界中にその名が知られるようになった。
1925年にはジャンヌの甥のモーリス・ランバンが責任者となり、高級注文仕立服をはじめとする紳士服も手がけ始める。その後、多くのコレクションでの輝かしい栄光を経て、2004年には日本だけで展開するセカンドラインとして、「LANVIN en Bleu」がデビューするに至る。
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