文:岩見旦
世界経済を牽引する巨大IT企業であるFacebook、Amazon、Apple、Tesla、Microsoft、Alphabet(Google)、Netflixの7社は「FAATMAN」と呼ばれている。コロナ禍に株価を大幅に上昇させており、合計時価総額は8兆ドルを超えている。これは、ドイツ、カナダ、フランスのGDPの合計とほぼ同じだ。
果たして、これらの巨大IT企業は1分間にいくら稼いでいるのだろうか? 金融情報プラットフォーム『Seeking Alpha』の情報を元に、Visual Capitalistが制作したインフォグラフィックスを紹介する。
Amazon、1分間に95万5517ドル収益を上げる
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Amazon:1分当たりの収益 95万5517ドル 時価総額1兆5600億ドル
Apple:1分当たりの収益84万8090ドル 時価総額2兆400億ドル
Alphabet(Google):1分当たりの収益43万3014ドル 時価総額1兆37000億ドル
Microsoft:1分当たりの収益32万7823ドル 時価総額1兆7500億ドル
Facebook:1分当たりの収益21万3628ドル 時価総額7330億ドル
Tesla:1分当たりの収益8万1766ドル 時価総額6480億ドル
Netflix:1分当たりの収益5万566ドル 時価総額2380億ドル
Amazonはコロナ禍の巣ごもり消費が増加し、売上を伸ばしている。アメリカではもちろん、昨年日本で200億ドル、ドイツで290億ドルの収益を上げた。昨年11月には、オンライン薬局サービス「アマゾン薬局」をアメリカで開始し、さらなく多角化を押し進めている。
Appleの2021年第1四半期の決算発表によると、iPhoneの世界利用台数は10億台以上、Apple全製品の利用台数は16億5000台になった。これに伴い、アプリや音楽、動画配信などサービスも好調で、売上高は157億ドルを記録。MacとiPadを上回った。
Alphabetは昨年1820億ドルの収益を上げ、その内の200億ドルがYouTubeから。Googleでは世界中で毎日約40億回検索。利用者の閲覧履歴を追跡する技術の使用制限強化など、プライバシー保護にも注力しており、ネット広告の過渡期となりそうだ。
Microsoftは時価総額1兆7500億ドルと、世界で2番目に大きな巨大IT企業で、その事業は検索サービスBing、ビジネス特化型SNSのLinkedIn、家庭用ゲーム機Xboxと多岐にわたる。先月、ゲーマー向けのチャットアプリDiscordを100億ドル強で買収との報道も。
Facebookはここ数年、プライバシー問題で非難を集めており、今月も5億3300万人の個人情報が、犯罪フォーラムで公開されていると報じられた。ただ、ビジネスは好調であり、直近の四半期は270億の収益を上げ、平均28億の月間アクティブユーザーを抱えている。
Teslaは電気自動車大手で自動運転の開発に力を入れている。昨年11月、S&P500種株価指数の構成銘柄に選ばれ、創業者のイーロン・マスクは世界一の富豪に。ビットコインを15億ドル購入したことを明らかにし、話題を集めた。
Netflixはコロナ禍で新規会員数を5200万人増やし、有料会員が2億人を突破。今年のゴールデングローブ賞に映画22作品、テレビ番組20作品のノミネーションを獲得。日本で4月からアニメーター育成支援を始め、独自アニメ制作の環境づくりに邁進する。
この7社がIT業界の荒波の中で、今後どのような抗争を繰り広げるのか、目が離せそうにない。日本からも、この7社に挑戦するIT企業が誕生することを期待したい。