CULTURE | 2021/03/15

「超本気のSDGs対応」に必要なこれだけの難問。ファッション業界の場合【連載】オランダ発スロージャーナリズム(33)

Photo by Shutterstock
新型コロナが世界を襲って、丸1年超。筆者も日本に帰国できなくなって1年以上...

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サトウキビの搾りかす「バガス」を原料にした日本発のデニム

SHIMA DENIMのHPより

日本でもまさにサステナブルブランドと言うに相応しいデニムブランドがあります。それはなんと沖縄に拠点を置くデニムブランド、SHIMA DENIMです。

「サステナブル」と言われる最大のポイントは、世界でもっとも生産されている農作物のサトウキビを原料に使用していること。年間生産量は世界で19億トンと言われています。このサトウキビの、いわゆる搾りかすを「バガス」と言うのですが、これが年間に1.9億トンから3.8億トン発生します。現在は主に製糖のための燃料として使われていますが、それでも大量の未利用資源が発生しています。

サトウキビの搾りかす「バガス」を細かく粉砕したもの

SHIMA DENIMでは、このバガスを使い和紙づくりの技術を用いて糸を作ります。その糸を使用してテキスタイルを作り、これをデニムにしているのです。

未利用資源の利用による環境負荷の軽減はもちろん、オーガニック素材なので究極的には土にも還ります。今はまだ製造工程をブラッシュアップ中ではあるようですが、これはひょっとして究極のサステナブルなファッションブランドになり得る可能性があります。

さらにバイオインディゴを使った染色技術を導入していたり、販売方法もシェア方式を取り入れたりと、様々な工夫がされています。

バガスから作られた糸。日本独自の和紙の技術を使ってテキスタイルにしていきます

先に触れた、「SDGsアクションとして、何からしたら良いのか分からない」という疑問に対しては、いち生活者として、こうしたブランドを応援するということが今すぐにできることだと思います。同様に食の分野でもこうした取り組みは多く存在します。

こうした情報をSNSなどでシェアする、投稿するということも、立派なSDGsアクションです。まだまだこうした情報は知られていないからです。人は知らないことには、アクションできません。知ることが一歩目となります。

また、もし読者のあなたがいきなり会社からSDGsに関連するアクションを求められたのだとしたら、まずは自社のビジネスがどのように成り立っているのか? 進められているのか?全ての自社の関わるステークホルダーの洗い出しをしてください。つまり現状を把握するところから始めましょう。それによってどこにボトルネックがあるのか? それは簡単に解決できるのか? 解決できないとしたら、どこなら解決できそうなのか? 二酸化炭素排出量はどのくらいなのか? それを変えるとしたら、どのくらいの費用がかかるのか?などの全ての情報を可視化します。

今回は、一例としてファッションを取り上げましたが、どの業種業界でもサステイナブルシフトの必要性があるはずです。

サーキュラーエコノミーを推進する国際団体「Circle Economy」が毎年発表している「グローバル・ギャップ・レポート」によると今、世界ではわずか8.6%しかサーキューラーエコノミー(循環型経済)にシフトしていないと言われています。

まだまだサステナブルにはほど遠い我々の世界ですが、できることから、できる人から少しずつシフトしていきましょう。


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