文:汐里
近年、日本では将棋の藤井聡太二冠、サッカーの久保建英選手、卓球の張本智和選手など、各界で10代が目覚ましい活躍を見せている。
そんな中、アメリカでとんでもない偉業を成し遂げた10代の高校生が注目を集めている。
星系からのシグナルのちょっとした違いに気づいた高校生
2019年夏、メリーランド州にあるNASAのゴダード宇宙飛行センターで、新しい惑星が発見され、「TOI 1338b」と名付けられた。NASAのトランジット系外惑星探査衛星(通称TESS)によるデータから探知されたこの惑星は、地球から1300光年離れた星系に存在している周連星惑星だ。つまり、1つではなく2つの星を周回している。大きさは地球の6.9倍で、海王星と土星の中間の大きさに当たる。
新しい惑星の発見という快挙を成し遂げたのはNASAの職員や天文学者でもなく、なんと同施設にインターンシップとして働いていた、ニューヨークのスカースデイル高校に通っていたウォルフ・キューキア君(当時17歳)だ。しかもこの発見は、キューキア君がインターンシップを始めてから3日目の出来事だったという。
NASAのリリースによると、TESSによって得られた星の明るさの変化を調査する仕事を担当していたキューキア君は、「インターンシップ3日目、TOI 1338と呼ばれる星系からのシグナルに気が付きました。最初は、恒星食(惑星などによって恒星が隠される現象)だと思いましたが、タイミングが違ったのです。そのため、それが惑星だと分かりました」と発見した時の状況を振り返る。
26万リツイートを記録し、再注目
そして最近、キューキア君によって発見された新しい惑星「TOI 1338b」が、SNS上で大きな注目を集めている。きっかけとなったのは、1月17日に投稿された、「NASAが見つけたこの惑星を見て…とってもゴージャス…」というツイートで、パステルカラーの美しい惑星の画像が添えられている。
このツイートはこれまでに、26万回以上のリツイート、126万回を超える「いいね」を獲得している。しかし残念ながら、添えられた惑星の画像は偽物の画像だということが判明している。
『CBS New York』によると、キューキアくんは現在、物理学あるいは天体物理学を学ぶため、スタンフォード大、マサチューセッツ工科大、プリンストン大のいずれかへの入学を希望しているという。若き才能のさらなる活躍に注目したい。