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文:山田山太
誰もがスマホを手にすることで、時間や場所を問わず親や友人とメッセージをやり取りしたり、お気に入りの動画を観たりすることができるようになった。
それに伴い、スマホの「ながら運転」による交通事故も増加している。警視庁によると、2018年度の携帯電話使用等による交通事故の件数は2790件で、2013年度の2038件から1.4倍に急増している。
2019年3月には、スマホで漫画を読みながら時速100kmで車を運転し、前を走っていたバイクに衝突。バイクの女性ドライバーが死亡するという極めて悲惨な事故も起きている。
運転中のスマホ使用は刑事罰に
12月1日より施行予定の改正道交法では、スマホの「ながら運転」に対する行政処分が厳罰化されることとなった。
運転中にスマホなどを使用し、交通の危険を生じさせる「携帯電話使用(交通の危険)」は、これまで違反点数2点だったところ、改正後は違反点数6点になり即免許停止に。また、「交通反則通告制度」いわゆる青キップの適用により9000円の反則金で済んだところが、改正後はこの適用から除外され、刑事手続きに移行することとなる。
運転中にスマホなどを使用する「携帯電話使用等(保持)」も、改正前は違反点数1点から改正後は3点に引き上げられた。反則金も、改正前の6000円から改正後の1万8000円に引き上げられた。
「自転車は?」SNSで多くの声
この「ながら運転」の罰則強化はSNS上でも話題となっており、改正のポイントを紹介した投稿は現在7万5000件のリツイートを記録している。
この投稿には「厳しく取り締まって欲しい」「危険運転する人が淘汰されますように」などの賛同のコメントが多く寄せられた。また、今回の改正は自動車と原動機付自転車が対象だが、「頼むから自転車も規制してほしい」という声も挙がった。
2020年からはスマホを見ながらの運転もOK!?
今年の12月1日からスマホの「ながら運転」が厳罰化される。ところが2020年5月からは逆に、運転中でのスマホの使用が認められるようになる場合があることをご存知だろうか。
実はこれは自動運転車の話。近い将来やってくる自動運転車の実用化に向け、改正道路交通法が成立したのだ。今回の改正は、一定の条件下でドライバーに代わってシステムが運転を担う「レベル3」の自動運転車が対象となっており、渋滞中の高速道路などでの使用が想定されている。
新しい技術には得てして新しいルールが生じるものだ。だが、本来はできるだけ規制を必要としないモラルやマナーの浸透が望ましいかもしれない。