LIFE STYLE | 2019/06/25

難病と戦う12歳の女の子、点滴袋をテディベアで隠すカバーを考案。点滴の恐怖を取り除くアイデアに称賛の声

文:岩見旦

病院の治療において、高いところから薬剤などを少しずつ血管の中に注入する点滴は、非常に怖く感じるもの。子...

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文:岩見旦

病院の治療において、高いところから薬剤などを少しずつ血管の中に注入する点滴は、非常に怖く感じるもの。子どもだったらなおさらだ。

そんな点滴に対する恐怖を和らげるある発明が今、注目を集めている。考案したのは幼い女の子だ。

テディベアの点滴カバーを発明

米国コネチカット州に住むエラ・カザノちゃん(12歳)は、7歳の時に血液中の血小板が減少し出血しやすくなる難病「特発性血小板減少性紫斑病(ITP)」と診断され、8週間ごとに点滴を打たなければならない生活を送っていた。

カザノちゃんは、点滴がどれだけ子どもたちにとって怖いのかを身をもって体験してきた。「最初に点滴をした時、点滴のポールについているチューブや医療器具の量の多さに驚き、少し怖かったです」と当時を振り返る。

そこで、カザノちゃんは点滴への恐れを取り除く画期的な解決策を考案した。テディベアのぬいぐるみで、点滴袋を覆い隠すことができる可愛らしいカバーを発明した。これで子どもたちは恐怖を感じる点滴袋を直接目にしないで済む。また、このカバーの裏側はメッシュでできており、看護師や医師は点滴袋の中の薬剤の量を簡単にチェックできる作りになっている。

クラウドファンディングで目標金額の4倍の資金を調達

同じ悩みを持つ病気の子どもたちに配るために、カザノちゃんはこのカバーをMedi Teddyと名付け、お母さんの手を借り特許を取得。玩具メーカーの最低注文数である500個を製造、配布しようと9日、『GoFundMe』で、クラウドファンディングを開始した。すると、支援のコメントが殺到し、1週間ほどで目標金額の5000ドル(約55万円)を達成。現在は2万ドル(220万円)以上を調達している。カザノちゃんは製造したすべてのMedi Teddyを寄付する予定だ。

カザノちゃんはMedi Teddyの公式サイトに「たくさんの子どもたちが同じような気持ちになっていると知り、より親しみやすい体験を提供したいと考え、Medi Teddyを開発しました。私がMedi Teddyに助けられたように、あなたが救われることを願っています」とコメントしている。

将来的には、テディベア以外の動物をデザインしたカバーや、スポーツチームなどの組織と協力しMedi Teddyの新しい洋服を作りたいと考えているというカザノちゃん。自ら難病と戦いながらも、多くの病気の子どもたちを励ますという大きな野望に燃えているようだ。