文:岩見旦
「東京2020オリンピックプレゼンティングパートナー」のNTTは20日、聖火ランナー募集開始の記者会見を都内で開催。
女優の石原さとみさんのほか、ラグビーの羽野一志選手、ビーチバレーの長谷川暁子選手、水泳の山田拓朗選手などが登場した。
会見の様子
東京五輪ランナー、締め切りは8月31日
NTTは聖火リレーのテーマに「CONNECTING WITH HOPE ひとりひとりの、希望の光をつなぐ」を掲げ、東京オリンピック2020聖火ランナーのランナーを募集。6月24日から8月31日まで、特設サイトなどから応募できる。
提出された志望動機など応募者の情報を元に、地域の有識者を含むNTTの選考委員会で選考。最終的なランナーは、東京2020組織委員会での選考過程を経て決定し、12月以降に通知される。
東京2020聖火リレー公式アンバサダーの石原さんは「47都道府県、時間が許す限り全国を回りたい。そこで心をつないで、通信テクノロジーを通じて多くの人に伝えたい」と想いを述べた。
石原さとみさん
「5G」やセキュリティ対策など東京五輪への対策
続いてNTTの澤田純社長は、東京オリンピック・パラリンピックへの貢献と、2020年の先を見据えたレガシー、あらゆる社会的課題をスマート化により解決する「スマートワールド」の実現へ向けた最新の取り組みをプレゼンした。
まず東京オリンピック・パラリンピックへの貢献として、五輪初の高速・大容量の「5G」を用いた商用サービスがスタート。観客や訪日外国人に向けたインフラの整備やプロモーションなどを行う。オリンピックスタジアムと東京スタジアムでは、世界最高水準の高密度のWi-Fiの提供を目指し、現在工事中。澤田社長は「約70席に1台のWi-Fiアンテナがあり、半数が同時にストリーミング動画を見られる」と語った。
また、莫大な数のサイバー攻撃が予想されており、最先端のサイバーセキュリティを整備し、通信サービスなどに総勢2万人が支える。「従前よりネットワークへのDoS攻撃とIPシステムへのバグウェア防止は別組織体で行うのが通常だが、今回はセキュリティオペレーションセンターとネットワークオペレーションセンターを連携する。複合型のような新たなセキュリティ脅威に対しても迅速にフレキシブルに対応する」と澤田社長。
この他、使い終わった携帯電話などから東京五輪のメダルを製造する「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」にも参画。NTTはこれまで約621万台の携帯電話を回収している。
スマートアリーナなど「スマートワールド」の実現へ
次世代へつなぐレガシーとして、NTTドコモとNTTファシリティーズは有明アリーナの運営権を取得し、最先端のスマートアリーナを目指す予定だ。東京五輪ではバレーボールや車椅子バスケットで使用する。
またスポーツ面では、Jリーグと協力し、遠隔地で行われているサッカーの試合を、巨大な「12K」の高精細のスクリーン等を備えた屋内施設で放映する「デジタルスタジアム」を実施し、新たな観戦・応援体験を提供した。今後はサッカーに限らずさまざまなスポーツに応用する。
現在NTTデータを中心とし、古く価値のある文化遺産をデジタル技術で復元、修復、保存する取り組みを行っており、これまで国立国会図書館、バチカン図書館のデータを保管・公開した。ASEAN統合デジタルアーカイブにも携わり、今秋詳細が発表される。
この他、ユニバーサルデザイン社会の実現に向けた車いす道案内情報のデジタル化や、暑さ対策として生体・環境情報のデジタル化に取り組む。東京メトロとともに、混雑緩和などを目的とした交通需要マネジメントで連携を開始する。
2020年、そしてその先へ向けたNTTの新たなチャレンジから目が離せなさそうだ。