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Appleが毎年開催している開発者向けのイベントWWDC(Worldwide Developers Conference : 日本時間の6月4日午前2時より開催)まで後10日あまりとなった5月28日、突然、第7世代のiPod touchが発表された。第6世代のiPod touchが発売されたのは2015年7月17日なので、実に4年ぶりの登場となる。
伊藤僑
Free-lance Writer / Editor
IT、ビジネス、ライフスタイル、ガジェット関連を中心に執筆。現代用語辞典imidasでは2000年版より情報セキュリティを担当する。SE/30からのMacユーザー。著書に「ビジネスマンの今さら聞けないネットセキュリティ〜パソコンで失敗しないための39の鉄則〜」(ダイヤモンド社)などがある。
外観はそのままだがA10 Fusionチップを搭載
3月に開催されたApple Special Event以来、大きなイベントの前に新型のハードウェアを発表することが恒例化しつつあるようだ。これは、Appleがビジネスの主軸をハードウェアからサービスへと転換しつつあることと無関係ではないだろう。
4年ぶりに第7世代へと進化したiPod touchではあるが、サイズやカラーバリエーションなど外観的には第6世代から変更はない。
ディスプレイもスペック上は、4インチのRetinaディスプレイ(1136×640ピクセル、解像度326ppi)と変更はなく。カメラも前面は120万画素(FaceTime HDカメラ)、背面は800万画素とそのままだ。3.5mmのイヤフォン端子も搭載している。ただし、容量は32GB、128GB、256GBの3種となり、旧機種の16GB、32GB、64GB、128GBから順当に大容量化している。
第6世代から大きくアップデートされたのは中身で、iPhone 7と同じ「A10 Fusionチップ」の採用によりパフォーマンスが最大2倍に、グラフィックス性能が最大3倍に向上。にもかかわらず、バッテリーはこれまで通り長持ちするという。
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A10 Fusionチップの搭載により、臨場感ある拡張現実の世界を体験できるARゲームやARアプリケーションも楽しめるようになった。パフォーマンスの大幅な向上により、最新のゲームもサクサクと軽快に動作する。
低価格でiOSを楽しめる端末としての存在感が増す
注目すべきは、その価格だろう。2万1800円(32GBモデル)からと、現行のiOS端末の中では一番求めやすい価格となっており、前機種の2万4800円(16GBモデル)よりも低価格化されている。
現行のiPhoneで最も求めやすいiPhone 7(32GBモデル)で5万800円から、最新鋭のiPhone XR(64GBモデル)では8万4800円からと、高額化が進むiPhoneとほぼ同様の機能(3G、4G LTEの通話・通信機能などを除く)を求めやすい価格で実現できるのだから、その魅了は大きい。
iPad miniと同じ手法で、外観はそのままに中身をアップデートすることによって低価格化を実現した第7世代iPod touch。2020年の東京オリンピックに向けて、各地のWi-Fiスポット整備がさらに進めば、その活用範囲はますます拡大することだろう。
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第7世代iPod touch