世界では270万人、国内では1万2000人を超えた新型コロナウイルス感染者(4/24時点)。
未曾有のウイルスに翻弄され、さまざまなビジネスにダメージを与える一方で、医療機関や医療従事者の負担も増大しているのが現状だ。
そうした中で政府機関とは別に、医療従事者を支援する動きが広がっている。そこでFINDERSでは、医療従事者を支援する動きを今後、継続的に紹介していきたい。
文:FINDERS編集部
医療従事者たちにトップシェフの料理を届ける「Smile Food Project」
新型コロナウイルス感染症と最前線で闘う医療機関で働く人たち向けに、トップシェフ達が料理を届けるプロジェクトが、「Smile Food Project」。
「私たちがつくるひと皿で、笑顔を届ける事ができますように。明日に向かう活力を養ってもらえますように」との思いから始動された。
同プロジェクトを率いるのは、「オテル・ドゥ・ミクニ」などを経て渡仏後、フランスで本場の二つ星、三つ星レストランで修業した、東京・北参道の高級フレンチ「Sincère(シンシア)」のオーナーシェフ、石井真介氏。
それから、グローバル・ダイニングを経て独立し、レストランCITABRIAほか、4店舗とケータリング事業を経営する石田聡氏。
患者の対応に追われ、食事もままならない医療従事者も多い中、同プロジェクトに救われ、癒される人も多いだろう。
アサヒグループが約1億1000万円相当の商品を全国の病院に無償提供
アサヒグループホールディングスとシダックス、国分グループの3社協業で4月22日より、感染症指定院を含む全国の病院208カ所、約11万8000人を対象に、約1億1000万円相当の食品が無償提供された。
提供されたおもな商品は、カルピスウォーター約24万本、クリーム玄米ブラン約36万個、1本満足バー約22万個。
本件とは別に、アサヒグループホールディングスでは、新型コロナウイルスの感染拡大にともない影響を受ける「こども食堂」に約1億5000万円相当の商品を提供している。同商品は、こども食堂サポートセンターを通じて全国11のエリアに届けられたという。
フランスの老舗コスメ「ロクシタン」が医療従事者向けにハンドクリームを提供
フランスの老舗ライフスタイルコスメティックブランド「ロクシタン」は、京都府で唯一の第一種感染症指定医療機関である京都府立医科大学附属病院に、シアハンドクリーム5150個を寄附した。
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、対応に追われる医療従事者たちの日々の消毒で荒れがちな手肌のケアに役立ててもらいたいとの思いから提供された。弊社は2018年にも視覚障がい者支援として同院に寄付した経緯があるという。
また、欧州の中でも感染者数が多いフランスでも、南仏の自社工場で生産したアルコール入りハンドジェルやソープ、ハンドクリーム、保湿クリームの寄付を実施している。
ロクシタンでは、今後も医療関係者への感謝の気持ちを込めて、今できる最大限の支援活動を継続するという。
ガリバーが医療従事者を優先に、1万人に自動車を無償レンタル
中古車買取販売のガリバーは、外出自粛を要請される一方で、医療関係者をはじめ、食品の配達員や通院が必要な人など、移動手段が必要な人向けに車の無償レンタルサービス「ガリバークルマ支援」を開始した。
日本最大規模のネットワークを生かし、全国1万人を対象に最大3カ月間貸し出すという。
現在、この取り組みに希望者が殺到しているが、貸し出しは先着順ではなく、このコロナ禍にもっとも移動手段を必要とする医療従事者が最優先されるとのこと。
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窮地に立たされたときこそ、人や組織の品格が試されるというが、それぞれの立場や得意ジャンルを生かし、今、自分にできることをスピーディーに行動に移せるスタンスは尊い。
1日も早い未曾有のウイルスの終息を願いながら、今後もFINDERSはこうしたさまざまな医療従事者支援の動きを逐一お伝えしていきたい。