文:赤井大祐
1958年に発表された世界初のビデオゲーム「Tennis For Two」の公開から60年あまり、形を変えながら進化を続け、私たちを魅了してやまないゲーム。今や条例でプレイ時間の制限を受けるほどだ。
文化的な側面はもちろん、経済的な規模も一級品。そこで『TITLE MAX』が作成さしたゲームシリーズの歴代総収益ランキングを紹介する。
ゲームシリーズ歴代総収益ベスト50はこれだ
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こちらの表をご覧いただきたい。各シリーズ名と、その下に「メーカー」「シリーズの最初のタイトルの発売年」が記載されており、その横には収益高がコイン1枚あたり10億ドル(約1090億円)で表されている。ベスト10は下記の通り。
1位 ポケットモンスター(1996年発売 900億ドル)
2位 スーパーマリオ(1981年発売 302億5000万ドル)
3位 コール・オブ・デューティー(2003年発売 170億ドル)
4位 Wiiシリーズ(2006年発売 148億800万ドル)
5位 パックマン(1980年発売 141億700万ドル)
6位 スペースインベーダー(1978年発売 139億3000万ドル)
7位 アラド戦記(Dungeon Fighter Online)(2005年発売 118億ドル)
8位 ストリートファイター(1987年発売 112億7900万ドル)
9位 ファイナル・ファンタジー(1987年発売 106億5600万ドル)
10位 ウォークラフト(1994年発売 106億2700万ドル)
圧倒的な力の差を見せる世界の任天堂
総収益1位に輝いたのは、1996年に任天堂が第一作を発売した「ポケットモンスター」シリーズ。(現在は株式会社ポケモンから発売)海外でも「POKEMON」という名で親しまれ、30タイトルを超えるシリーズの総収益はなんと900億ドル。日本円にして約10兆円にも迫る規模となっている。
任天堂は「スーパーマリオ」シリーズが2位、「Wii Fit」や「Wiiスポーツ」でおなじみの「Wii」シリーズが4位と、いずれも上位にランクイン。日本が世界に誇るゲームメーカーが圧倒的な力の差を見せつけた。
スマホの登場で「F2P」が主流に
従来のビデオゲームは、ソフトを購入することでプレイできる「ペイ・トゥ・プレイ(P2P)」という方式が一般的であった。しかし近年は、基本プレイ無料でありながら、ゲーム内でプレイヤーが課金をすることで収益を上げる「フリー・トゥ・プレイ(F2P)」と呼ばれる方式が、PC、スマホ向けタイトルにおいて主流になりつつある。
このランキングでは、従来のP2P方式をとっているものがほとんどだが2019年のゲーム業界の収益を見てみると、なんと82%がF2Pのタイトルが占めている。一般的なゲーム機と違い、誰もが持っているスマホなどでプレイできることが大きなアドバンテージになっているようだ。
F2P方式で代表的なもので言えば、15位の「リーグ・オブ・レジェンド」。世界で最もプレイヤー数が多いPCゲームで、83億ドルもの総収益を誇るF2Pの先駆けだ。続く16位の「モンスターストライク」、17位の「パズル&ドラゴン」もF2P。ともにスマホゲームの代表格と言えるだろう。
さらに2016年に発表され、中高年を中心に爆発的な人気を集めた「Pokemon GO」は、「ポケモン」シリーズ初のF2P作品。「ポケモン」のように元々P2Pで大きな成功を収めたシリーズも徐々にF2Pへと進出してきており、この流れは今後ますます強いものとなっていくと目されている。
技術の発達に合わせてその形を変えてきたビデオゲーム。2020年代はどのように変化し、どんな市場を作っていくのか楽しみだ。