文:山田山太
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、世界各国の政府は不要不急の外出を控えるよう国民へ呼びかけている。しかし、ニューヨークやパリ、ロンドンは閑散としている一方、東京は未だに人が溢れている。
そんな中、外出を防ぐためのとあるアイデアが、世界中で注目を集めている。
「Netflix」のネタバレ広告を街中に掲載
そのアイデアとは、「Netflix」の人気オリジナルドラマシリーズのネタバレを屋外広告として街中に掲載するというもの。ネタバレを恐れる人たちの外出を防ごうというものだ。3月25日、世界中の広告をアーカイブする『Ads of the World』で公開された。
広告に使用された作品は「ストレンジャー・シングス」「ラブ・イズ・ブラインド」「ナルコス」といったいずれも超人気作ばかり。まだラストまで観ていない人にとって、ネタバレはたまったものではない。
広告学校の学生による非公式のアイデア
実はこれらの広告は非公式の制作物で、実際に掲載されたものではない。制作したのは、ドイツの広告専門学校「マイアミ・アド・スクール・ヨーロッパ」ハンブルグ校に通うアートディレクターのセーヌ・コングランキットさんと、卒業生のコピーライターのブレイブさん。
『BoredPanda』によると、2人は新型コロナウイルスの影響で、ドイツから故郷であるタイへ帰国しなければならなかった。ブレイブさんはタイの人たちに対し外出自粛に対する意識向上のため、何かできることはないかとセーヌさんに話を持ちかけた。
当初2人は、このアイデアをNetflixのシンガポール支社に売り込んだが、自社コンテンツのネタバレをしたくはない、ということで採用には至らなかった。外出してもこれらの広告を目にすることはないので、ひとまずご安心を。
2万件を超えるリツイート
3月31日、あるTwitterユーザーが、この広告アイデアを紹介。あまりの出来栄えから国内のSNSでも大きな反響を得て、2万1000件ものリツイート、6万6000件の「いいね」を獲得。「これは効果ありそう」「これは効く!」「脳みそ柔軟すぎる」といった称賛の声が多数寄せられた。
ちなみ米国版Netflixの公式Twitterアカウントでも、「クリエイティブなアイデアだけど、本物ではありません」とアナウンスされている。
世界的な危機的状況の中、なにかできることがないか、と知恵を絞るクリエイターに敬意を表したい。そして、引き続き外出はできるだけ控え、自宅でNetflixの作品を堪能してみてはいかがだろうか。