文:岩井聡史
スーパーで購入した食料品は除菌が必要
新型コロナウイルスの感染拡大する中、手洗いなどで感染から身を守ることがとにかく重要だ。そんな中、米国ミシガン州で20年間医師として働いているジェフリー・ヴァンウィンゲンさんは、手術で無菌環境を作る方法を応用し、自宅での食事で可能な限り、感染リスクを下げる方法を動画で解説。3月25日に公開した動画は現在2400万回再生を記録し、大きな話題を呼んでいる。
不要不急の外出を控えることができても、食料品を購入するためスーパーマーケットなどに外出する必要がある。同時に、購入してきた食料品とともに自宅にウイルスを持ち込まないことが肝心だ。
米国立衛生研究所の論文によると、新型コロナウイルスは体外の環境下では一定の時間しか生存できない。空気中に3時間、ダンボールに1日、プラスチックや金属の表面に3日間しか生息できないという。ヴァンウィンゲンさんはそのため購入した食料品で、今すぐ必要でないものは、玄関やガレージに3日間置いておくことを推奨している。
食料品の外での放置が難しい場合、食料品を消毒しなければならない。手順は次の通りだ。
・テーブルを消毒し、カラーテープなどで半分に仕切る。一方を購入してきたままの未除菌の食料品を置くスペースとし、もう一方を消毒した食料品を置くスペースとする。
・プラスチックなどで包装された食品は、消毒液で拭き取り消毒する。
・シリアルのような外箱の中に包装された食品が入っている場合、外箱は捨てる。
・パンやお菓子は、消毒したプラスチックの容器に移し替える。
・ビニール袋などに入っていない果物や野菜は、20秒間水洗いする。
このように徹底して、家庭へのウイルスの侵入を防ぐのだ。
テイクアウトした食料品も注意を
ヴァンウィンゲンさんはテイクアウトの安全な食べ方についても語っている。要領はスーパーマーケットで食品を購入した時と、ほとんど同じだ。ウイルスが付着している可能性のある包装紙の外側に触れないよう注意しながら、食料品を清潔なお皿に移す。
食料品は電子レンジで加熱すると、安全に食べられる可能性が高くなる。新型コロナウイルスではまだ確認されていないものの、他のタイプのコロナウイルスは熱に弱いことが分かっている。一方、他のタイプのコロナウイルスは冷凍状態では長生きすることが分かっているので、食料品を冷凍する際は注意が必要だ。
人によっては今回のような予防方法を極端に思われるかもしれない。しかしヴァンウィンゲンさんが話すように、非常時には緊急の手段が必要なのだ。自身や家族、そして社会の安全のためにも感染予防に注力してほしい。