文:神保勇揮
なにかとギクシャクする世知辛い世の中へ。クリエイティブな解決策となるか
いよいよ本格的に花粉症シーズンを迎える昨今、薬を飲んでいても自然とくしゃみや鼻水が出てしまう辛い季節だが、新型コロナウイルスの影響で人々が疑心暗鬼に陥り、「咳をしただけで電車の緊急停止ボタンが押された」「隣に座っている人から注意され口論になった」なんていうニュースがワイドショーを駆け巡ると、「風邪ですらない時でさえ、自分も面倒事に巻き込まれてしまうのではないか…」と心配になってしまう。
そんな中、神奈川県川崎市のハンドメイド雑貨店「エピリリ」が販売した「ぜんそくマーク」「花粉症マーク」が話題を呼んでいる。
この商品は、店主が制作する消しゴムはんこの技術を用いたイラストで「ぜんそくです」「花粉症です」と書かれており、「ぜんそくマーク」には「このセキはうつりません」という一言も添えられている。「おなかに赤ちゃんがいます」で有名なマタニティマークなどと同様の役割を果たすものだ。缶バッジ・キーホルダーがあり、カラーバリエーションも存在する。
商品は武蔵小杉にある実店舗のほか、楽天市場を通じたネット販売も行っている。「花粉症マーク缶バッジ」の場合、楽天ショップでの販売価格は1個550円(税込・送料別)。
「ぜんそくマーク」「花粉症マーク」はすでにテレビ番組でも紹介されており、注文が殺到。3月10日17時半現在、楽天の「花粉症バッジ」の販売ページを見ると、注文はできるものの「10日~2週間で発送いたします」と表示されている。またエピリリの公式Twitterでは、実店舗を3月10日から12日にかけて臨時休業し、発送作業に専念することを発表した。
「こうしたマークの利用が必要になってしまう世の中の方がおかしいのではないか」と言いたくなってもしまうところだが、こうした小さな工夫ひとつで無用なトラブルを回避できるのもまた事実。世知辛い世の中に対するクリエイティブな回答として、気になる人はチェックしてみてほしい。