文:岩井聡史
子どもなどが親とはぐれて迷子になった時、警察に助けを求めるだろう。
しかし、アメリカでちょっと変わった訪問者が警察署に現れたと、SNS上で話題を集めている。
首輪から外れていたIDタグ
2月11日深夜、米国テキサス州にあるオデッサ警察署に突然、勢いよく駆け込んできたのが一匹の犬。そのままカウンターに前足を乗せ、中を覗き込んだ。この犬が迷子になっていたのは明らかだった。
その日、勤務していたラスティ・マーティン巡査部長が『The Dodo』に語ったところよると、この犬は迷子だったにも関わらず、慌てている様子はなかったとのこと。まるで近所に挨拶に来たかのような気軽さだったという。
オデッサ警察署の職員は、皆喜んでこの犬を建物の中に迎え入れた。「私たちは持っていたテニスボールを投げたりし、この犬を可愛がっていました」とマーティン巡査部長。もちろんマーティン巡査部長を始め職員たちは、この犬の飼い主探しもを忘れることなく進めていた。
しかし、捜索はすぐに暗礁に乗り上げることになった。なぜならこの犬は首輪をつけていたが、IDタグが外れていたのだ。そこで首輪についているマイクロチップを調べようと、警察は地元の動物管理局に依頼した。
迷子の犬は無事に飼い主の元へ
ところが、飼い主が心配していることを察したのか、犬は勢いよく警察署を飛び出していってしまった。
翌日、マーティン巡査部長がこのエピソードを「警察犬の応募者が来ました」とコメントともとにFacebookに投稿した。すると後日、この犬の飼い主から連絡があった。この犬の名前は「チコ」で、無事に飼い主の家に辿り着いたとのこと。
マーティン巡査部長は、「感動しました。何よりチコはこの仕事(警察)に向いているかもしれません」と今回の出来事を振り返った。
迷子になったことを自身で警察に出頭し、その状況を慌てることなく楽しんだチコ。最後は自らの足で家に帰るという、思わず心が温まるドラマチックな出来事だ。