文:chopsticks
天真爛漫な幼い子どもというものは、誰彼構わずハグしてしまうもの。そんな可愛らしい子どもの姿を見て、心がほっこりする人は多いだろう。
しかし、そんな行動が思いがけない奇跡を生み出したと、SNS上で話題になっている。
ピザの配達員にハグした息子の動画をSNSにアップ
今月15日の夜、米国ロードアイランド州に暮らすピザ配達員のライアン・キャターソンさんは、リンジー・シーリーさんの自宅を訪れた。ライアンさんはピザを届けて帰ろうとすると、2歳になるリンジーさんの息子のコーエン君がライアンさんを追いかけた。コーエン君は両手を挙げてハグを求めると、ライアンさんはしっかり抱きしめ、微笑みかけた。
心温まる動画がドアベルのカメラに録画されていることに気付いたリンジーさんは、さっそくInstagramにアップロード。すると、この動画の存在を人伝いに知ったライアンさんはリンジーさんに連絡し、「私が動画に映っているピザの配達員だと思うのですが、その動画をもらってもいいですか?」と願い出た。リンジーさんは快く受け入れ、ライアンさんに動画をプレゼントした。
その後2人は意気投合し、Facebookで友達になったのだが、リンジーさんはそこで思いがけない真実を知った。
1週間前に最愛の娘を亡くしていた配達員
実は、ライアンさんはその出来事の1週間ほど前に16歳の最愛の娘を失っていたのだ。元妻とカリフォルニアに住んでいたが、精神的な疾患で治療中だったという。
リンジーさんは『NBC Montana』の取材に対し、「私はライアンさんのFacebookを見て、最近彼の大切な娘さんが亡くなってしまっていたことを知りました。私はただ可愛らしくて面白いと思ったハグが、ライアンさんにとってもっと大きな意味があったことに気付かされました」と語っている。
ライアンさんも「亡くした娘がそこにいたかのような感動を覚えました」と『ABC6』の取材に答えている。コーエンくんとのハグはほんの数秒間の出来事だったが、ライアンさんにとってかけがえのない、濃密な時間だったに違いない。
「うちの子、すぐ知らない人に抱き付いて…」と悩んでいる人もいるかもしれないが、もしかしたらあなたの子も、コーエンくんのように誰かの心を元気づけているかもしれない。そう考えると、人懐こいわが子の姿が、より一層天使のように思えてくるのではないだろうか。